イエロー・ハンカチーフ

イエロー・ハンカチーフ “The Yellow Handkerchief”

監督:ウダヤン・プラサッド

出演:ウィリアム・ハート、マリア・ベロ、エディ・レッドメイン、
   クリステン・スチュワート、エマニュエル・コーン、ヌリト・コーン、
   ヴェロニカ・ラッセル、桃井かおり

評価:★★★




 日本映画「幸福の黄色いハンカチ」(77年)のリメイク映画。…と言っても、個人的に映画への思い入れは全くなく、むしろ「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」のパロディコーナー「幸せの黄色いハンカチ」の印象の方が強い。それゆえ、何の先入観もなく物語に入り込むことができたのは良かった。まあ元々原作は海外のものらしいので、舞台がアメリカ南部になっても違和感がないのは当然か。

 確かに日本人好みの話と言えるかもしれない。ポイントになっているのは「待つ」という行為。受け身と取られかねないその愛情は、耐え忍ぶことを美徳とするところのある日本人気質にフィットする。ただ、アメリカ人が奏でる『イエロー・ハンカチーフ』でも「待つ」美しさは十分に感じられる。ヒロインをマリア・ベロが演じているからだ。男が刑務所に入っていた6年という歳月も、男の身勝手さも、自分は何もできずただ待つだけというもどかしさも、全て包み込んでしまう大きさのある女性像をしっかり表現している。遂に心から愛することができる男を想い、彼女は待つ。面白いのは待っている姿は全然映し出されないのに、その姿が目に浮かんでくるところで、これはもうベロの器の大きな演技のおかげだろう。

 それから南部の湿度が感じられる映像になっているのもイイ。まとわりつくような暑さが漂っているのだけれど、オープンカーを走らせる際に受ける風が優しく肌を撫でていく。生暖かくて、分かりやすい気持ち良さなんかではない。でも、言葉ないままにそっと心に触れていく感じが良く出ている。車は相当にボロく、それに乗った旅は快適とは言えないけれど、南部の風に救われる。傷ついた心に優しいこの風があればこそ、遂に例のアレを見つけた際、ウィリアム・ハートはあんな表情ができたのだと思わせるくらい。

 演技と映像がなかなか見応えのある一方、旅を一緒に続ける3人の心情の描き方がフラットなのが惜しい。ある事件が起こった際のハートのベロに対する態度がどうしても納得できないし(「女は男を心で見る」というセリフが出てくるのに!)、クリステン・スチュワートとエディ・レッドメインの若いふたりが距離を縮めていく過程に説得力が感じられない(ただし、孤独な心がざわついている感じは良く出ている。鮮度はないけれど)。あと、回想場面の入れ方が若干煩いのも気になった。

 よく分からなかったのは、わざわざハリケーン カトリーナが意識されていたことで、結局話にたいして絡むことがないままに終わってしまった。もし上手く織り込むことができていたら、違った面白さが出ていたかもしれない。





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