顔のないスパイ

顔のないスパイ “The Double”

監督:マイケル・ブラント

出演:リチャード・ギア、トファー・グレイス、スティーヴン・モイヤー、
   オデット・ユーストマン、スタナ・カティック、クリス・マークェット、
   テイマー・ハッサン、マーティン・シーン

評価:★★★




 冷戦が終わり、一旦消えかかったに見えたスパイ映画だけれど、どっこいしぶとく生き残っている。「ジェイソン・ボーン」シリーズ(02年~)の成功が大きいような気がする。ミッションを変えて、アプローチを変えて、スターを変えて、次から次へ。『顔のないスパイ』もその流れにしっかり乗っている。

 意表を突くのが、CIAが追っている超一流スパイ、カシウスが早々に正体を現すところだ。ソビエト連邦の伝説の殺し屋だというのに、あっさり姿・形を露にする。それも主人公として、だ。そう、リチャード・ギアが追う側にして、追われる側となる。

 本人がそう言ったからと言って、証拠が出たからと言って、はいそうですかとすんなり受け入れられないところがミソ。本当に彼がカシウスなのだろうか。だとしたら再び活動を始めた理由はどこにあるのか。彼はどこに向かっているのか。正体を現したまま、それなのに途切れない吸引力を作るのが巧い。すぐ傍らにバディとして若手FBI捜査官を置いたのが効いている。

 カシウスによるターゲットの殺害方法が、銃や毒ではないのがイイ。ヤツは腕時計にワイヤーを仕込み、隙を見つけて相手の喉をざっくり切り裂くのだ。人込みでも別の方向に人の気を逸らせ、一瞬の空白を有効活用、瞬時に容易くし止めてしまうのが、なかなか魅せる。殺し屋ながらアッパレと思わせる。

 カシウスにギアを配したのは、成功半分・失敗半分と言ったところか。あのニヤケ顔は無闇に緊張感を削ぐし、さすがに老け込んで身体の動きが鈍い(特に走り方に老いが顕著)。相棒の若手を演じるトファー・グレイス(ますます郷ひろみ化)も文科系的容姿なので、画面がやけに静かだ。ただ、ギアは凄腕に見えないところこそ重要なのかもしれない。その後の展開を見ると、だけれど…。

 ギアはグレイスの「カシウス」研究論文に対して、「場所と方法は完璧だ。あとは動機だけだ」と白々しく評価を下す。物語上、実は動機が非常に重要になってくるのだけれど、遂に明らかになるそれが、メロドラマ風なのにはギョッとした。ギアゆえに仕方がないのだろうか。大オチからの流れも含めて、ここは冷徹に徹して欲しかった。





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