ジャックとジル

ジャックとジル “Jack and Jill”

監督:デニス・デューガン

出演:アダム・サンドラー、ケイティ・ホームズ、アル・パチーノ、
   エウヘニオ・デルベス、デヴィッド・スペード、ニック・スウォードン、
   ティム・メドウス、アレン・コバート、ダナ・カーヴィ、
   ロブ・シュナイダー、ジョニー・デップ

評価:★




 一人の俳優が双子の両方を演じるのは危険だ。最新技術を駆使したとしても気色の悪いことになる。『ジャックとジル』に出てくる双子はしかも、兄と妹だ。アダム・サンドラーが兄を演じる。妹も演じる。もちろん妹の方を演じるために女装する。どう考えてもゲテモノ映画になる。果たして、それは的中する。いや、作り手もそれを呼び物にしているから、どうしようもないと言うか何と言うか。

 実生活でもそうなのだろうか、双子はギャグにしやすい。以心伝心、意識しなくても言動がそっくりになることがよくからかわれる。もちろんここでもネタにされている。ただし、汚らしく、だ。どうやらそれが「可笑しい」らしい。サンドラーが自信満々に暴走する。胸にメロンを詰め、尻も膨らませ、巨体女になったサンドラーが、いたってフツーの男のサンドラーと動きをシンクロナイズさせながら、下品にキメる。もちろん観ている方はゲンナリする。

 ギャグの大半は、女になったサンドラーを笑い者にしようというのを基本にしたものになっている。いや、言い方が悪いか。サンドラーも自分が気持ち悪くなっていることを承知した上でのやりたい放題なのだから。やたら甲高い声を作り、早口で捲くし立て、無意味に身体を膨らませ、最後に屁で締める。こういう女、チョーうぜぇ。近寄ってくんな。あ、でも傍から見てれば楽しいかもよ、というわけだ。笑わせ方があまりに低俗。物語上はこんなのでも魅力を感じるようにならなければならない。心は純真、彼女に悪気はないのだ。いや、でも無理。無理だから。

 大体兄の設定からしてバカバカしいのだ。広告代理店で華やかな仕事に就き、優しい妻に恵まれた毎日。時たまホームレスを家に呼んで食事をし、親のいない子を養子として迎え入れている。こういうライフスタイルの人も実際にいるだろう。しかし、これを「心の清い人」として描こうというのが、卑しくて卑しくて。「心の清い人」が暑苦しい妹に振り回されるところに同情を感じさせようだなんて、あぁ、なんとお粗末な価値観だ。当然のことながら「心の清い人」が妹を邪険に扱う、その過ちを描こうとしたわけでもない。

 …と言うのはまあ、実は観る前からある程度予想がついていたことだ。予想していなかったのは、てっきりカメオ出演かと思っていたアル・パチーノが、しっかり「出演」していたことだ。本人役、しかもセルフパロディ連発というのが、なんだかスゴイゾ。なんとパチーノ、視力が衰えたのだろう、女サンドラーに恋してしまうのだ。それも熱烈に!だから猛アタック!金と権力をフル回転!いちばん強烈なのは女サンドラーの脇をコチョコチョする件か。ひょー、パチーノに何をやらせるんだ!でもなんか、偉いかも!ジイチャン、相変わらず血走った目で頑張った!ちっとも笑えないけど!

 それからエンドクレジット前に出てくるCMが強烈な印象を残す。ダンキンドーナツの新商品「ダンカチーノ」と「アル・パチーノ」をかけたCMで、そのノリノリぶりにアゴが外れる。楽しげにラップとダンスをキメるパチーノ。本編では全く笑えなかったのに、思わず吹き出す。女サンドラーよりもインパクトの大きいパチーノ。さすがはオスカー俳優だ。





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