ウソツキは結婚のはじまり

ウソツキは結婚のはじまり “Just Go with It”

監督:デニス・デューガン

出演:アダム・サンドラー、ジェニファー・アニストン、
   ニコール・キッドマン、ニック・スウォードソン、ブルックリン・デッカー、
   ベイリー・マディソン、グリフィン・グルック、デイヴ・マシューズ、
   ケヴィン・ニーロン、ミンカ・ケリー、レイチェル・ドラッチ

評価:★★




 いちばんの見ものはジェニファー・アニストンとニコール・キッドマンのフラダンス対決だろう。間違いない。フラダンスの本場ハワイで、アニストンとキッドマン、四十路を越えたふたりが、肌が露になっている部分の方が隠れている部分よりも多いあの衣装で、女の意地を賭けた戦いを繰り広げる。尻をふりふり、腕をさわさわ。アンタなんかにゃ負けないわよと身体を張る女たち。女優だけあって美しくシェイプアップされていて、うん、これならば合格点だろう。こんなんで男たちはマイッちゃうんだ。バカみたいだけど。

 このふたりの対決で偉いのはまず、キッドマンが性悪女役で出てくるところだ。自分がいかに恵まれているか、幸せか、美しいか、それをアピールすることで自己を確立しているような女。その美貌はお直しによって抜かりがないという設定。キッドマンは若干のセルフパロディを投入しているのだ。真っ赤な唇にアクセントを置いたキツいメイクは、そのまま妖怪人間ベラ役もイケる。対するアニストンはいつも通り隣の女の子的親しみやすさで勝負。実に分かりやすい女のタイプが用意されている。大抵の場合、お行儀が良い男はアニストンの方になびくだろう。ただ、この映画ではキッドマンもイケる、アニストンもイケる…というセンを狙っている。結構結構。その方が誠実だ。

 ただし、キッドマンとアニストンの対決は映画の余興のような機能しか果たしていない。『ウソツキは結婚のはじまり』はあくまで、嘘が嘘を呼び、どういうわけだか夫婦のふりをしなくてはならなくなった美容整形外科医とその助手が織り成すロマンティック・コメディなのだ。そしてロマコメという点で物語を眺めると、もうひとつ生温さが拭えない。

 アダム・サンドラーとアニストンは無理のないカップルに見える。見た目もお似合いだし、役柄の設定も喧嘩しながら距離を縮めていくという王道パターンを分かりやすく踏襲している。安心感があると言って良い。ただ、この安心感がクセモノだと思うのだ。どれだけ相性が良くても、なんだかどこかで見たような、新鮮味がないようなふたりに見える。実際ふたりがコンビを組むのはこれが初めてではないというのもあるけれど、どちらも性格が良さそうという点がもっと大きな原因になっている。安心感はあっても、良い人同士の刺激に欠けたすったもんだでしかないからだ。それこそサンドラーとキッドマンという意表を突いた組み合わせの方が、それだけで胸が躍るのではないか。

 それでも嘘が絡んでいる割りに、後味はさほど悪くない。サンドラーの持ち味が生きているのだろう。この人は自分から無理に笑わせに走らない方がイイ。周りのドタバタをちょっと離れたところから眺めているくらいの方が、大きな男に見える。幼稚さや下品さを強調すると途端に付き合っていられなくなる。尤も、サンドラーやアニストンの親しみやすさに甘えて、「嘘」が明らかになる場面を省略してしまったのは、さすがに拙い。逃げが見える。それからアニストンとサンドラーが急接近していく過程ももうちょっと捻りが欲しい。アニストンの子どもを触媒にして、突然互いを意識し始めるのが、「子ども好きは良い人」的な安易さを感じさせるのは嫌だ。

 キッドマンを性悪女のままで終わらせないのは、ちょっとだけ感心した。女同士の間に存在する見栄が優しく溶け合う。キッドマンに気を遣っただけかもしれないけれど。…ちゅーかキッドマン!なぜこんなところに?!たまには「お茶目な私」をアピールしたかったのかもしれない。大女のお茶目って難しいからね。





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