フライトナイト 恐怖の夜

フライトナイト 恐怖の夜 “Fright Night”

監督:クレイグ・ギレスピー

出演:コリン・ファレル、アントン・イェルチン、トニ・コレット、
   クリストファー・ミンツ=プラッセ、デヴィッド・テナント、
   イモジェン・プーツ、デイヴ・フランコ、リード・ユーイング

評価:★★




 ヴァンパイアのイメージも随分変わったものだ。昔ながらのヴァンパイアというとロマンティックでエレガントな佇まいで決まりだったけれど、それだけだと最近は古臭いと思われてしまうらしい。古臭く見えるか、古風でカッコ良く見えるかは、作り手の力量によるものだなんて、誰も考えない。分かりやすく個性的なクリーチャーを目指すのだ。

 果たして『フライトナイト 恐怖の夜』のヴァンパイアも捻りが効かされている。外見は隣の兄ちゃん風。人間の外見で人込みに紛れ込み、何食わぬ顔でターゲットを物色、隙を見つけては血を頂戴するのだ。十字架もほとんど効果なし。聖水で撃退できるのも一時的。串刺しにされても、心臓からちょっとズレただけで蘇る。ヴァンパイアは招かれなければ家に入ることができない…というルールも、だったら家をなくせばいいと家を燃やしてしまうのだから、頭が切れるというか暴走し過ぎというか。一見大真面目に撮っているようだけれど、狙っているのはもちろん笑いだ。怖いだけじゃダメだ。笑わせることができなければダメだ。…ということらしい。ヴァンパイアも辛いよ。

 その上ヴァンパイアをコリン・ファレルが演じている。これが可笑しい。とても可笑しい。いつもの無精ヒゲを剃り上げ、代わりに青白いメイクで姿を見せるファレルが、「モンスター上司」(01年)に引き続き思い切った暴れっぷりだ。いくら顔を白くしてもヴァンパイアには一切見えず、なぜだかココリコ遠藤章造に近づいていくファレル。顔面の筋肉をひくひく動かしながら小技を仕掛けるのに、つい笑みを浮かべてしまう。ターゲットの首に噛み付くときの一瞬のタメなんて、完全にコント風。良い意味で。

 止せば良いのに、なぜだかCGを使って醜いヴァンパイアを再現する場面が出てくる。ヴァンパイアが我を忘れたとき、余裕がなくなったときに元の姿に戻るらしい。ファレルの演技だけで何故通せなかったのだろう。ヴァンパイアの造形にメイキャップではなく視覚効果が入ることで、隣の兄ちゃん風愛敬がアッという間に吹き飛ぶ。

 …とは言え、その他の視覚効果は案外嫌味に感じられない。狙っているのか、そうなってしまっただけなのか、チープさが前面に出ていて、それが呑気な空気を作り出している。残酷なショットになっても、やけにのどかだ。したがって恐怖はほとんど感じられないものの、それがマイナスになっていない。

 まだまだ若いアントン・イェルチンがやけに老け込んでいたのは軽くショック。危険な髪の生え際が理由ではない。妙に顔が疲れている。ヴァンパイアになって楽しげなファレルの方が若々しく感じられる場面すらある。イェルチンの友情に絡めたドラマ部分はもうちょっと盛り上げても良かった。いつも通りの役柄で登場するクリストファー・ミンツ=プラッセが相変わらず良い味を出していただけに惜しい。





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