ラブ&ドラッグ

ラブ&ドラッグ “Love and Other Drugs”

監督:エドワード・ズウィック

出演:ジェイク・ギレンホール、アン・ハサウェイ、オリヴァー・プラット、
   ハンク・アザリア、ジョシュ・ギャッド、ガブリエル・マクト、
   ジュディ・グリア、ジョージ・シーガル、ジル・クレイバーグ、
   ケイト・ジェニングス・グラント、キャサリン・ウィニック

評価:★★




 アン・ハサウェイが脱ぐ。大胆に脱ぐ。何度も脱ぐ。これはかなり爽快な画だ。これまでにもハサウェイがヌードを見せた映画はあったけれど、ここまであからさまに「性」に密着したものはなかったのではないか。ハサウェイの裸には躊躇いがなく、だからだろう、清潔感が感じられるのが良い。ちゃんといやらしいのに、その色は透明だ。

 それにしてもハサウェイの目はデカい。しかも垂れているものだから、より一層強く心に焼きつく。顔の半分が目だなんて、はっきりと少女漫画顔だ。ほとんど冗談みたい。それなのにハサウェイはドラマティックにも迫ることができる。人物の内面を掘り下げることができる。たいしたものではないか。尤も、ここでは突き抜けたコメディセンスこそ、素晴らしい。

 しかし、より注目すべきはジェイク・ギレンホールの方だ。例を挙げるまでもなく、これまでのギレンホールはギーク色が強かった。タフな役柄もあったけれど、基本はギークだ。目周りの暗さが内向的に見せるのだろうか、暗く内気な役柄が目立った。そのギレンホールが『ラブ&ドラッグ』では大いに弾ける。目一杯ぶっ飛ばす。マシンガントークで女を口説きまくり、ピカピカの身体を見せるべく脱ぎまくり、ついでに女たちをメロメロにさせてしまうのだ。口から出てくる軽妙な言葉が、いちいちチャーミングに聞こえる。ちゃんとプレイボーイに見える。しっかりセクシーに映る。意外だ。

 その上ギレンホールは、コメディのタイミングも熟知している。バカな言動や仕草で笑わせようとするのではなく、間合いで勝負するのが嬉しいじゃないか。コメディは掛け合いが命。畳み掛けるときも、タメを効かせるときも、ギレンホールはいつも通り目周りが暗いままに、可笑しい。ハサウェイとの相性も抜群だ。

 ギレンホールとハサウェイがハイスピードでセックスまで駆け抜けていく前半が面白い。ハサウェイの登場までに時間がかかるのはじれったいものの、登場してからは一気に見せる。いきなり身体の関係から入るのも、最近妙に多い設定とは言え、気持ちが良い。ふたりともおかしな状況を笑い飛ばせる器を持っている。ギレンホールがハサウェイに「I love you」を告げるところは名場面。

 だから後半の沈んだ展開には落胆する。ハサウェイの持病であるパーキンソン病が悪化し、それにまつわるエピソードで占められていく。ロマンティック・コメディでは愛するふたりの間に障害が立ち塞がるのが常だけれど、ここでは難病が選ばれたわけだ。そういう設定にした以上避けては通ることのできないものではある。ただ、難病映画特有の鬱陶しさが画面を覆っていくのはどうか。なんとか暗くならないよう努力の跡は見受けられるものの、それを成功させる離れ業は見当たらない。ハサウェイは「難病を抱える女」、ギレンホールは「難病の恋人を持つ男」としての表情しか見せなくなる。

 エドワード・ズウィックは何でも手堅くまとめる監督だけれど、基本的に演出に癖というものがない。ここではそれが仇になったのではないか。スターの魅力で魅せられる前半は乗り切れても、難病話に流れる後半は完全なる無個性。パーキンソン病やバイアグラを担ぎ出す必然性も感じられなくなる。





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