ハートブレイカー

ハートブレイカー “L'arnacoeur”

監督:パスカル・ショメイユ

出演:ロマン・デュリス、ヴァネッサ・パラディ、アンドリュー・リンカーン、
   ジュリー・フェリエ、フランソワ・ダミアン、エレーナ・ノゲラ、
   ジャック・フランツ、アマンディーヌ・ドゥヴァーム、
   ジャン=イヴ・ラフェッス、ジャン=マリー・パリ

評価:★★




 主人公の職業は別れさせ屋だ。姉夫婦とチームを組み、ターゲットを自分に惚れさせ、ターゲットをそれまでの恋人と別れさせることで報酬を得ている。それが今回、うっかり自分がターゲットに惚れてしまう。相手もまんざらではないようだ。まるで日本のテレビドラマのような設定と展開。月9でかかっていてもおかしくない。実際、キムタクあたりが主演する画が簡単に思い浮かぶ。この俺がターゲットに惚れてしまうなんて…。自分にうろたえながら、でも想いは止められない。

 フランス映画『ハートブレイカー』のいちばんの観所は、別れさせ屋のお手並みということになるはずだけれど、これがイチイチ安い。相手の好きな音楽を口ずさむだとか(ジョージ・マイケルだ!)、好きな映画をほのめかすだとか(「ダーティ・ダンシング」(87年)だ!)、景色の良い場所で泣かせる身の上話を聞かせるだとか…。その際はバックにポップミュージックが脳天気に流れるのがお約束。いやー、勘弁してくれー。でもホレ、キムタクならうっとりしながらやってくれそうだ。自分大好きだし。

 ロマン・デュリスはキムタクと違い、自分大好きの気はない。いつものようにわざとむさ苦しくした髪型と無精ヒゲのままに奮闘する。実際、ある程度は観ていられる。楽しそうに笑っているデュリスを眺めている分には悪い気分にはならない。

 しかし、限界というものがある。この設定ならば思わず膝を打つようなナンパ作戦が必要になるところだろうに、中学生でも思いつくようなことばかりなんだもの。オープニングのモロッコでの誘惑作戦ぐらいに大掛かりな罠を張ってくれないとノレないというものだ。この映画、冒頭を全力で駆け抜けて、後はガス欠。「ダーティ・ダンシング」の一場面を再現して喜んでいる場合ではない。楽しんでるの、アンタたちだけだから。こんな作戦に女たち、よく騙されるよなー。ほとんど女たちへの侮辱。いくらファンタジーとは言え、もう少し描きようがあるだろう。細部の雑さが全体の雑さに繋がっている。

 ヒロインのヴァネッサ・パラディはあんまり魅力的に撮られていない。かつては気まぐれネコのような愛らしさを湛えていたのに、「ジョニー・デップの妻」はそんなに大変なのか、ガイコツに皮が張りついているような顔になってきた。頬骨がズバリ、ミア・ファロー的。可愛かったすきっ歯が、全体を貧相に見せている。クライマックスのウェディングドレス姿が綺麗じゃなかったのがトドメの一撃。少女の頃を知っていると「こんなはずでは…」と呟くことになる。ティム・バートン映画にノーメイクでイケるかもしれない。

 フランス映画でもこういうバカロマコメを作れるのだということが分かったことが収穫かもしれない。いつも小難しく愛を語っているばかりだったのに、ヤツらもこんなにバカになれる。人間誰しも、たまにはとち狂うことも必要なのだ。





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