10日間で彼女の心をうばう方法

10日間で彼女の心をうばう方法 “Management”

監督:スティーヴン・ベルバー

出演:ジェニファー・アニストン、スティーヴ・ザーン、ウッディ・ハレルソン、
   マーゴ・マーティンデイル、フレッド・ウォード、
   ジェームズ・ヒロユキ・リャオ、ケイティ・オグラディ、ヨランダ・スアレス

評価:★★




 スティーヴ・ザーンは名バイプレイヤーとしてのポジションを揺るぎないものにしている俳優だ。大作にも小品にもピタリとハマるユニークな個性の持ち主。サイコロ型の頭に人の好さそうな表情が乗っかり、体型はというと小太り気味。丸い目をくるくる回してチョコマカ画面をかき回すのを得意としている。周囲の迷惑を顧みず、我が道を行くのが似合っている。彼を主人公に持ってくるだけで、物語にある程度のくすぐりが生まれるのだからたいしたものだ。ここではジェニファー・アニストンがW主演という形でヒロインを演じているというのに、演出の全力はザーンに絞って注がれている。おそらく作り手はザーンの熱烈な支持者なのではないか。少なくともザーンを想定して書かれた脚本に思える。

 『10日間で彼女の心をうばう方法』でザーンが演じているのは、アリゾナの田舎町で両親の経営するモーテルの夜間マネージャーとして働いている男だ。ある日、出張で街にやってきた絵画のセールスレディであるアニストンに一目惚れ、積極的にアタックを開始する。夜中、部屋に安ワインを持って押しかけるのを皮切りに、文字通りどこまでもアニストンを追いかけ始める。後先考えず、州も飛び越えて、想いをぶつけ続けるのだ。要するに彼はストーカーだ。

 ザーンの特徴のひとつは「目」だ。女に猛烈にぶつかっていく様は仔犬を思わせるところがあるものの、この「目」が時折怖くも見える。もちろんザーンもそれを意識しているだろう。なんせ傍から見ればストーカーだ。ザーンは目に微妙なニュアンスを滑り込ませて、作品を脳天気なコメディに終わらせない。ただし、ザーンがコメディを念頭に置いてないというわけではない。あくまでコメディ演技を下敷きにしながら、そこに新たに役柄の要素を上塗りしていくのだ。そしてそういうザーンを眺めている分には、確かに飽きない。ハンサムでもないし気の利いたセリフをいうわけでもないのに、目が離せない。

 ただ、ザーンの力に頼り過ぎたせいか(と言うか、ザーンにばかり力を入れて演出しているので)、物語は「ちょっと良い話」風にまとめてしまった感は拭えない。生き甲斐を見つけられなかった男が恋をきっかけにストーカーと化す。愛する人の元恋人とのバトルを始める。いきなり仏教の世界にトリップする。色々とわけの分からない脱線をしながら、行き着く先に見えるのは「新しい自分」というありきたりの着地点だ。毒の効いた捻りを入れてかき回す方が面白かっただろうし、ザーンの個性もより活きただろう。

 前述のようにアニストンはほとんど演出がなされていない。素のアニストンがそのまま出てきた印象だ。力の抜けたナチュラルな彼女を楽しんで欲しいということなのかもしれないけれど、もっと描き込む余地はあったはずだ。実はこのヒロイン、ただの良い子ちゃんではない。ザーンを気持ち悪く思いながらも、ちゃっかり自分の方から性的関係を結んでいる。ザーンはそれでますますのめり込んでしまうわけだ。それならば欲求不満女として開き直った描き方もあっただろうし、実は性的方面がだらしないとする見せ方もあったと思う。変わり者同士の恋ということで、応援のし甲斐もあったかもしれない。そうじゃなくても、せめて衣装やヘアスタイルはもう少し工夫して欲しかった。

 ところで関係ないが、日本でザーンが演じた主人公にピッタリなのは、ますだおかだの岡田圭右だと思う。目周りの表情に通じるものを感じるのだけど、どうだろう。どうでもいいか。





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