ダブルフェイス 秘めた女

ダブルフェイス 秘めた女 “Ne te retourne pas”

監督:マリナ・ドゥ・ヴァン

出演:ソフィー・マルソー、モニカ・ベルッチ、ブリジット・カティヨン、
   アンドレア・ディ・ステファノ、ティエリー・ヌーヴィック

評価:★★




 フランスを代表する女優に成長したソフィー・マルソーとイタリアの宝石と称えられるモニカ・ベルッチが共演する。『ダブルフェイス 秘めた女』はそれだけで身を乗り出してしまうのだけれど、その共演には捻りが効かされていて、マルソーとベルッチは二人一役を演じている。パリで夫と子どもたちと共に生活している女に異変が起こる。周りの風景が違って見えるようになるのが事の発端。続いて夫や子どもたち、母の顔が他人に見え、遂には自分の顔までが他人になってしまう。ヒロインとして登場したマルソーが、なんとベルッチに変身してしまうのだ。ワーオ。どっちにしろ美人か!

 「世にも奇妙な物語」に出てきてもおかしくないような話だけれど、これを大真面目にホラーとして撮り上げたのはちょっと芸が足りなかったかもしれない。喜劇として(もちろんエロティックな要素満載で)魅せてくれた方が面白かったのではないか。ハリウッド映画だったらファレリー兄弟あたりが手掛けそうな設定だと思う。或いはデヴィッド・リンチなら魅惑的な映像にしてくれそうだ。深刻な語り口で進むストーリーの着地点も、意外性のあるようなものではないし…。マルソーが変身してしまうのがベルッチだからそう思うのか。これが泉ピン子になってしまうのであれば、思い切った喜劇にできるのか。いや、そっちこそホラーにピッタリか。どっちでもいいか。

 全編を通じて見せられるのはヒロインの困惑と苦悩の表情だ。空白の幼少期に鍵がある真相に辿り着くまでを、まるで変種の自分探しの旅のように描き出しているため。物語は設定以上の愉快な飛躍は見せない。ヒロインの辛そうな表情ばかりでは、さすがにキツいのではないか。

 ところが、それだけで美女はモタせてしまうのである。マルソーもベルッチも40代半ばに入り、若くはない。肌の張りもさすがに衰えてきた感がある。しかしそれでもなお、魅せる。特にベルッチが魅せる。顔に浮かんだ生活の疲れが、何とも言い難い色気を発散しているからだ。熟れた果実が発する濃厚なエキスに包み込まれ、全体的に妖気を漂わせるようになってきたのが面白い。ほとんど肌を見せることもないというのに。やっぱりあのぽってりした唇が効いている。素晴らしくいやらしい。

 話の中盤はマルソーからベルッチに変身する途中の顔が映し出される。これは…ひょっとしたら見せ場のひとつのつもりなのかもしれないけれど、ただただ不気味だ。マルソーとベルッチの顔のパーツがミックスされた顔で、全然美しくない。美女と美女のパーツを混ぜても、決して絶世の美女にはならない。当たり前のことで、それ以上でもそれ以下でもない。なんだか中途半端さだけが残った。





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