迷ディーラー!? ピンチの後にチャンスなし

迷ディーラー!? ピンチの後にチャンスなし “The Goods: Live Hard, Sell Hard”

監督:ニール・ブレナン

出演:ジェレミー・ピーヴン、ヴィング・ライムス、ジェームズ・ブローリン、
   デヴィッド・コークナー、キャスリン・ハーン、エド・ヘルムズ、
   ジョーダナ・スピロ、トニー・ヘイル、ケン・レオン、T・J・ミラー、
   ジョナサン・サドウスキー、ジーナ・ガーション、ウィル・フェレル

評価:★★




 カリフォルニア州テメキュラ、中古車販売店を経営するジェームズ・ブローリンは、倒産寸前だというのにちっとも困っているように見えない。なんとかせねばと思ってはいるようだけれど、その佇まいから滲むのは深刻さとは無縁ののんびりした空気。ブローリンは助けを呼ぼうと電話をかける。取り出した名刺に書かれているのは「ドン・レディ」という名前と「I Move Cars, Motherfucker!」の文字。…とここで気づく。『迷ディーラー!? ピンチの後にチャンスなし』はコメディはコメディでも、バカコメディだ。

 そしてバカコメディはバカコメディでも、「ナンセンス」のセンを狙っている。ナンセンスバカというのは、実は映画として見せるのは難しいジャンルだ。ストレートなバカを放り投げるだけでは成立しない。バカが着地するまでに、セリフや状況に含まれる養分に捻りを加えなければならない。できないと単なるバカ騒ぎになる。ハリウッドで彼方此方に転がっているのは、バカ騒ぎの方だ。

 この映画はその罠にハマる。アクの強い登場人物たちをあちらこちらに配置することで満足している。それぞれのバカが炸裂はしても、その場で終わり。そこに捻りを加えることをしないがゆえ、ナンセンスの面白さが広がっていかない。それこそ単なるバカ騒ぎ。いや、バカ騒ぎならバカ騒ぎでも構わない。ただ、ナンセンスを狙っていることが丸分かりの上での単純なバカ騒ぎなのはどうか。下ネタ、同性愛ネタを塗しただけの画面が続く。

 ジェレミー・ピーヴン演じるドン・レディと仲間たちは3日間で211台の中古車を売ることになる。当然ディーラーとしての腕の見せ所になる。…はずなのに、これが案外真っ当なのだ。社員を演説調に鼓舞することから始まり、開店してからも基本は「気迫」。アッと驚く販売方法がほとんどなく、出てきても素人でも思いつきそうなレヴェルのものばかり。他店の広告を持ってきた客の電話に細工したり、色仕掛けを用いた架空の話で誘導したり…このあたりの独特の作戦をもっと念入りに描き出すべきだった。ピーヴンの話術センスをもっと突っ込んでもいい。温い手に乗せられる客があんぽんたんに見えて、そこからこから先がない。

 中盤以降はどういうわけだか、ピーヴンの「中年の危機」話に逸れていく。ピーヴンのアクが強かったのは最初だけ。実は彼は人生を考える、いたってフツーのオッサンであることが強調されていく。下品な口から下品な言葉を吐いても、思考は常識的。よくそれであんなふざけた名詞が作れたものだとガックリ来る。マジメか!

 最後の車を売る相手に関しては悪くない。物語上の流れを考えてもベストだし、やり方もピーヴン得意の話術を活かしたものになっているのも正解。本当ならもっとハチャメチャなナンセンスをビシバシキメることも可能だった題材だとよく分かる締め方。感心しながら、勿体無い気分にもなる。バカよ、小さくまとまるな。大きく爆発せよ。





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