三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 “The Three Musketeers”

監督:ポール・W・S・アンダーソン

出演:ローラン・ラーマン、ミラ・ジョヴォヴィッチ、クリストフ・ヴァルツ、
   オーランド・ブルーム、マシュー・マクファディン、
   レイ・スティーヴンソン、ルーク・エヴァンス、マッツ・ミケルセン、
   ガブリエラ・ワイルド、ジェームズ・コーデン、ジュノー・テンプル

評価:★




 予想はしていたけれど、アレクサンドル・デュマの古典の匂いは露ほども感じられない。アトス、ポルトス、アラミスの三銃士やダルタニアン、ミレディらお馴染みのキャラクターを借りているだけ。だったら「三銃士」じゃなくても良いのではないかという疑問が立ち上がるものの、ひょっとすると有名なキャラクターを使えば説明が省けると考えたのかもしれない。その分映像に力を入れちゃうぞ!…みたいな。違うか。

 ポール・W・S・アンダーソンが『三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』でやりたかったのはもちろん、CG映像とは縁が薄かった時代物を3Dで撮り上げることだ。しかもここにCGアクションもたっぷり盛り込む。飛び出すだけでも有難いのにアクションが現代的だなんて、全く新しい発想だぜ!

 かくして3Dを意識した構図が満載。上から下から真横から、次々と登場する3Dショット。ほとんど破廉恥じゃないかと思うのだけれど、それよりも問題なのは3D効果を意識するあまり、画面がやたら安くなってしまったことだ。こういう時代物の場合、つまらなくても美術や衣装は見応えのあるものなのに、どちらもやけに安い。全体の作り物感もやはり安い。絢爛豪華な世界を描きながら、それがちっとも再現されない。おそらく3D用とはこういうことなのだ。奥行きや立体感は出ても、それと引き換えに犠牲となるものがある。

 言うまでもなく物語への配慮は見当たらない。登場人物は簡単に相関図が書けるほどに記号化され、各々のセリフは空虚そのもの。あの「All for one, one for all」のキメゼリフも軽いこと軽いこと。ダルタニアンと三銃士が顔を合わせる場面はコント風で、いくらなんでもこんなにマヌケで良いのかと心配になる。

 ほとんど怒りが沸いてきたのは、クライマックスの飛行船バトルだ。まるで「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ(02年~)を思わせる大味さだ。空中戦がやってみたかったのだろうけれど、あからさまにニセモノの美術と冷たいCGの羅列が画面から呼吸を奪う。首飾りなんて、この際どうでも良い。それよりも早く息をさせてプリーズ。

 悪役に力が入れられているのは一目瞭然。中でもミレディを演じるミラ・ジョヴォヴィッチはほとんどひいきじゃないかと思えるほどに装飾が施されている。と言うか、金のかかった面白いアクションはジョヴォヴィッチが独り占め。衣装もとっかえひっかえ。首飾りもつけちゃうし、髪型も自在に変化する。アンダーソンの公私混同。撮影はさぞかし楽しかっただろう。ジョヴォヴィッチはエリカ様的扱いだ。

 それに引き換え、オーランド・ブルームは気の毒だ。悪役は悪役でも小物と言うかセコイと言うか。いかにも悪役なヒゲまで蓄えたのが…(小心者のチンピラ風で)似合い過ぎる!似合ってはいけなかった。小さな役でも物語を乗っ取るぐらいの存在感が見せられないのなら、悪役に手を出すべきではなかった。スターとしての限界を見せられた気がする。「キングダム・オブ・ヘブン」(05年)では悪くなかったのに、どこで間違えたのだろう。ブルームはダチョウ倶楽部的扱いだ(石田純一的扱いとも言う)。

 想像でしかないけれど、アンダーソンは原作を読んだことがないのではないか。この世界に対する無関心ばかりが目立つ。頑張っているのに一向に目立たない三銃士と演じる実力派たちに同情する。愛を下さいー。





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