グレッグのおきて

グレッグのおきて “Diary of a Wimpy Kid: Rodrick Rules”

監督:デヴィッド・バワーズ

出演:ザッカリー・ゴードン、デヴォン・ボスティック、ロバート・キャプロン、
   スティーヴ・ザーン、レイチェル・ハリス、ペイトン・リスト

評価:★★




 一作目の「グレッグのダメ日記」(10年)で「僕は学校で200人中19位だ。僕の読みでは1年後には1位になる」と何の根拠もない自信を見せていた主人公グレッグは、1年経ってもまだ学校の人気者には程遠い。7年生になっても太っちょの友達ロウリーとつるんで他愛ない毎日を送っている。ここで描かれる日常に大袈裟なメッセージは見当たらない。ただ、大半の人が通ってきたそれを映し出すことで、「こういうこと、あるある」「そう言えば同じようなことがあったなぁ」と少しの懐かしさを引き出すだけ。でもただそれだけが何だか愛しく思えるところがミソだ。子どもなら今の自分とリンクさせて笑うことも可能だろう。

 『グレッグのおきて』は一作目より断然後味が良い。一作目はロウリーとのいざこざや兄の暴走等に嫌な後味が残ったのだけれど、デヴィッド・バワーズ監督は「ハート」を何より大切にしたようで、困ったところのある人物も含めてそれぞれのキャラクターにちょっとずつ良いところを見つけている。その積み重ねが心をちょっとだけ温める。どこにでもいる家族の、どこにでもある景色に明かりが灯る。

 大々的に取り上げられているのは「兄弟問題」だ。大抵の兄と弟はケンカが絶えないもので、グレッグとその兄ロドリックもまた同様だ。ロドリックがグレッグに意地悪して、勝てるわけがないのにグレッグがそれに反抗する。ロドリックの手口には陰湿さがちらついていて、さすがにそれはどうなのかと思いつつ、グレッグが泣きべそをかくこともなくファニーフェイスを歪ませて立ち向かっていくので、意外なほどさらりと見られる。笑いの大半は兄弟ゲンカのすっとこどっこいぶりに繋がっているので、ここが巧く機能していないと困ったことになっただろう。

 兄弟ケンカは表情を変えていく。グレッグから見たら大人びて見えるロドリックもまだまだ子ども。親の言うことは絶対で、陰ではルールを破りつつも、表向きはそれに従っている。ヘナチョコなのは弟だけではなく、兄も同じなのだ。グレッグとロドリックの距離は縮んだり伸びたりの繰り返し。でも切れることはない。友人知人とは違う。仲違いしてもどこかで繋がっている。そこのところを掬い上げる後半は(相当ベタではあるものの)思いがけず感動的。兄弟がいる人なら、昔を思い出すかもしれない。

 グレッグは自分自身を良く知り始める年頃だ。何をやっても巧くいかなくて、でもそれが自分なのだと気がついて、だけど何とか立派になりたくて、そうしたらそれが実現する気がして、けれど結局は大半は夢のままで終わる。夢と現実の境目でフラフラしているところ。この現実感が大切にされているがゆえの愛らしさ、もっとはっきり言うならバカっぽさがスパイスになっている。

 大体男の子はいくつになってもバカなのだ。急速に大人になっていく女の子と違って、いつまで経っても子ども時代から抜け出せない。グレッグもロドリックもロウリーもバカのままに突っ走る。そしてそれでいいじゃないかと肩を叩く。どうせいつかは無理矢理大人にならざるを得なくなる。それまでのささやかな輝きをグレッグは身体で知っているようだ。

 ところで…ロドリックを演じるデヴォン・ボスティックは「めちゃイケ」に出ているモデルの敦士に似ている。一作目のときから誰かに似ていることが気になって仕方がなかったのだけど、今回それがはっきり分かった。敦士のように半ケツを晒さないのにホッとする。





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