ザ・ウォード 監禁病棟

ザ・ウォード 監禁病棟 “The Ward”

監督:ジョン・カンペンター

出演:アンバー・ハード、メイミー・ガマー、ダニエル・パナメイカー、
   ローラ=リー、リンジー・フォンセカ、ミカ・ブーレム、ジャレッド・ハリス

評価:★★




 1966年、5人の若い女性が収容されている精神病棟が舞台。彼女たちが決死の脱出を試みる様が描かれる。なんだか「エンジェル ウォーズ」(11年)を連想してしまう話だけれど、手掛けているのジョン・カーペンター。ザック・スナイダーがそうしたように、女の子たちを人形みたいに着せ替えごっこして満足するような人でないことは明らかだ。

 とは言え5人の描き分けは、『ザ・ウォード 監禁病棟』の楽しい見所のひとつだ。アルフレッド・ヒッチコック映画のヒロインのようなブロンド美女であるアンバー・ハードはスポーティなモデル風。母から譲り受けた魔法使いの鼻を持つメイミー・ガマーは独特の神経質な匂いを発散。ダニエル・パナメイカーは60年代の可愛らしいファッションでビッチにキメる。幼児性の強い役柄に危険な匂いを滑り込ませるのはローラ=リー。リンジー・フォンセカはメガネ娘の魅力で「アグリー・ベティ」を思わせる。個人的にはこれまで優等生風だったパナメイカーの変貌を支持したい。

 カーペンターは彼女たちを使って戦闘ゲームに興じない。それよりもサディスティックに変態性を爆発させる。彼女たちが怯え逃げ惑う姿を舐めるように映し出して喜んでいる。襲い掛かるのはマッドな精神科医たちとゴーストだ。異様な空気に支配された精神病棟の目に見えない重たさ、神出鬼没に現れるのがショッキングな目に見えるゴースト。女たちが恐怖と苦痛の悶える絵!その悪趣味!

 公平にも彼女たちの反撃も用意されている。中心となるのはハードだ。勝気な性格でチャンスを逃がすまいと突き進む。このあたりにはカーペンターの反骨精神が見え隠れする。泣き寝入りはしない。ハードが眼光に鋭い力を込めて奮闘する。頼もしいことだ。

 ただ、カーペンターならではのユーモアは不発気味だったか。恐怖や悪趣味さと同じくらいに実感したかったのに、ほとんど舌に残らない。ゴーストの動かし方にチープな味が注がれているものの、それだけでは物足りないというもの。バカバカしくて吹き出すくらいの冗談が欲しかった。ゴーストによる殺戮方法も捻りが足りない。

 クライマックスではいよいよ話の全貌が見えてくるのだけれど…、このオチには大いにガッカリした。もろ“あの映画”と同じじゃないの。カーペンターが意識したとは思わないものの、組み立てに抜け穴を作っているような安易さあり。オリジナル性は感じない。





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