キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー “Captain America: The First Avenger”

監督:ジョー・ジョンストン

出演:クリス・エヴァンス、ヘイリー・アトウェル、トミー・リー・ジョーンズ、
   ヒューゴ・ウィーヴィング、セバスチャン・スタン、ドミニク・クーパー、
   トビー・ジョーンズ、スタンリー・トゥッチ、ニール・マクドノー、
   デレク・ルーク、ケネス・チョイ、サミュエル・L・ジャクソン

評価:★★




 一体全体アメリカからはどれだけヒーローが出てくるんだ…と呟くことの多い昨今、『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』はしかし、これまでのヒーロー映画とは趣が大分異なる。ヒーローとしての能力に際立ったところは見られないものの、活躍する背景や誕生までの軌跡にヒーロー映画の典型とは異質なものが感じられるからだ。

 まず背景は1940年代、戦争真っ只中に置かれている。主人公のスティーヴ・ロジャースは兵士として戦場で戦うことを心より願う青年で、ヒーローとなった彼の敵となるのはなんとナチスだ。あの時代にヒーローが放り込まれるミスマッチの妙。当時の美術装置や衣装に囲まれる、それだけでハッとさせられる。画面に涼しげな風が通る。

 誕生理由はというと、かつてナチスの下で働いていた科学者が作り出した血清を投与されたことによる。ロジャースがある種の人体実験を受け、その末に生まれたのが「キャプテン・アメリカ」になる。仮面ライダー的な誕生に笑いつつ、あぁ、自分の中から自然と力が生まれたわけでも努力で勝ち取ったわけでもないのかと、ちょっと残念に思ったり…。ついでにヒーローになる前のロジャースを見ては、カラテカの矢部太郎を思い出したり…。

 作り手はどうやらヒーローを歴史の中に放り込むことにかなり気を遣ったようで、視覚効果だらけの画面作りにはなっていなくてホッとする。主人公の技も人よりも身体能力が数倍優れているぐらいで、武器と言ったら星条旗をモチーフにした盾と特徴のないバイクがあるぐらい。でもそれが良い。

 何しろ主人公の人格の根底にあるのは、強靭な勇気であり、自己犠牲の精神であり、他人を思いやる優しさだ。古風なところが強みになっている。ハイテクで飾り付けてしまっては、途端に「アメリカ」臭が強調されてしまったことだろう(身体が良く動く結果にも繋がっている)。

 いや、それでもまだ「アメリカ」臭は残っているか。「アメリカ万歳」の声が聞こえる場面もある。主人公はあくまでアメリカ軍の一人であり、ほとんどチームで行動するのだ。キャプテン・アメリカをリーダーにしたアメリカ軍の活躍。アメリカはこんなに素晴らしい国だとサブリミナル的に擦り込みながらの活躍。

 それに目を瞑るにしても、主人公の葛藤のなさには驚いた。近年のヒーロー映画の主人公は己のダークサイドとも戦うのが主流だけれど、それが微塵ほどもない。彼は根っからの善人で、その心には迷いや汚れというものがない。恩人と言うべき科学者から「善良なままでいてくれ」と言われる件があるくらいだから、その辺を突っ込めば良かったのに。あまりにイイヤツ過ぎて、意地悪したくなる。それともこの描き方もまた、彼を最良の国アメリカの象徴として見ている表れなのだろうか。

 それから…最大の敵となるナチスを演じるヒューゴ・ウィーヴィングが、途中から赤鬼みたいになってしまったのには失笑。ジム・キャリーが緑の怪人に変身した「マスク」(94年)の赤版に見えなくもない。いかにも紳士的な佇まいであるクリス・エヴァンスと照らし合わせると…うーん、マヌケとしか言いようがない。





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