ハウスメイド

ハウスメイド “The Housemaid”

監督:イム・サンス

出演:チョン・ドヨン、イ・ジョンジェ、ソウ、
   ユン・ヨジョン、パク・チヨン、アン・ソヒョン

評価:★★★




 ベースとなっている「下女」(60年)は韓国映画史に残る名作として知られ、マーティン・スコセッシ監督も支持しているらしいのだけれど、未見のまま今に至る。そして普段から韓国映画はそれほど観ているわけではない。詳しい方にしてみたら話にならないと鼻で笑われるところだろうと承知しつつ、反射的に感じたのは、あの大映ドラマの匂いだ。冗談としか思えない設定、唐突な展開、臭いセリフや仕草…呆れつつも大笑い。満載の突っ込みどころに喝采を贈る。辛抱タマラン。

 裕福な家の主とメイドが肉体関係を持つというチープな背景を装飾する要素の数々が、イチイチ可笑しい。メイドは利発な常識人、一生懸命仕事をこなす。主人は仕事人間、家庭に安らぎを求めているが、双子を妊娠中の妻は美しくてもロボットのようで味気ない。子どもは良い子だが、無表情を貫く。家を見張るのは整形としか思えないほどに若々しい妻の母親。先輩メイドも抜け目なく動き回る。彼らがわざとらしいほどの極端さで突き進む。

 『ハウスメイド』のいちばんの見所はやはり、主人とメイドのラヴシーンだろう。突然眠る寸前のメイドの部屋へワイン片手に現れた主人が、メイドに分かりやすく誘いをかける。ワインで酔わせ、胸を揉み、肌を撫で、局部に触れ、自分のズボンを下着ごと脱ぐ。座っているメイドの目の前に見せつけるのは、もちろんアレだ。そのときのメイドの反応がすごい。それまで押され気味だったのに、突然「いいわ!この匂い」と絶叫してむしゃぶりつくのだ。これだけでも相当可笑しいのに、主人は快感に浸りながら、なぜだかボディービルダーのように腕を曲げて、マッスルスタイルで陶酔に入る。ナニソレ!

 主人は妻とのベッドシーンでも、素っ裸で大の字となりフェラチオさせて笑いを誘う。メイドも一度ついた火は止められないとばかりに、主人を待つ。ベッドで待っていたメイドの上の毛布を剥ぎ取ると、なんと既に素っ裸だ。どんなメイドだ!

 その後の合体場面の撮り方が面白い。主人がバックから突く体位。この際うつ伏せになった女の背中の縦に入ったくぼみをフォーカスを当てる。そしてその揺れをじっくり観察する。顔も胸も尻も見えないのに、しっかりいやらしい。エロティックなものを理解している撮り方だと思う。この場面では先輩メイドに情事を目撃されるというオチもある。文句あるか!

 そもそも主人がメイドを意識する場面がアダルトビデオ風でイイ。汗をかきながら、水に濡れながら、風呂掃除をしていたメイドを目撃してしまい、うっかりその気になるのだ。ご丁寧にメイドの制服はミニスカート。ちゃんと綺麗な足が拝めるし、突き出された尻にもそそられる。あんまりにも分かりやすくて、「あぁ、男って…」とつぶやくハメになるけれど、現実もそんなものだから仕方がない。

 メイドを演じるチョン・ドヨンはいかにもメイド顔。角度によっては美人にもブスにも見えるのがイイ。服を着ていると気づかないものの、脱ぐと上も下も出るべきところはちゃんと出ている。生活感が漂っているのもポイントだ。自己陶酔型の主人は脱ぐと情けなさが際立つのに対し、メイドはなんだか良い女風。

 後半はそれぞれの思惑が入り乱れる復讐ストーリーに転じていく。ここからいきなり単調になる。妻やその母のメイドに対する仕打ちはいかにも大映ドラマだし、夫が木偶の坊と化すのも定石を守った展開。ただ、情念が毛穴にまで入り込んでくる感が薄くて、もうひとつ気分が盛り上がらない。メイドにしても反応が意外なほど淡白で、ほとんどやられっ放しなのが退屈だ。クライマックスの決断にはギョッとさせられるけれど、それならばもっと濃い仕返しを矢継早に仕掛けて欲しかった。狙ったほどの人間の業が感じられないのが惜しまれる。





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