ワイルド・スピード MEGA MAX

ワイルド・スピード MEGA MAX “Fast Five”

監督:ジャスティン・リン

出演:ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン、
   ジョーダナ・ブリュースター、タイリース・ギブソン、ドン・オマール、
   クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、マット・シュルツ、サン・カン、
   エルサ・パタキー、エヴァ・メンデス

評価:★★★




 どうやらヴィン・ディーゼルとポール・ウォーカーは、このシリーズに出続けることでハリウッドでの生き残りを図ることにしたようだ。クールな車に乗って、超スピードで飛ばして、カッコ良く撮ってもらって、出演料もとんでもない額だ。こんなうまい仕事、他にはないぜ…みたいな。まあ、それは構わないのだけど、さすがに五作目ともなるとスタジオ側も同じことを繰り返すだけでは芸がないと考えたのかもしれない。これまでは感じられなかった新風をいくつか吹かせている。そして、それが確かに一定の効果を上げているのだ。ブラジルのリオデジャネイロを舞台にした『ワイルド・スピード MEGA MAX』、意外や意外、シリーズ物はどんどんつまらなくなっていくとの法則を吹き飛ばし、これまでで最も面白い。

 ディーゼルとウォーカーは さほど変わらない。と言うか、確実に時の流れを感じさせる。新アクションスターとして輝いていたディーゼルはすっかり中年太りして、二重アゴ。アイドル風だったウォーカーは疲れが顔に出てきて、オッサン臭を漂わせるようになった。彼らが一緒の画面に入って協力してアクションをこなす場面は当然ふんだんにあるのだけれど、その度に思い出すのは、リポビタンDのCMだったりする。「ファイト、一発!」のセリフと暑苦しさでお馴染みの、アレだ。もはや微笑ましいと言うか何と言うか。安心感が出てきたと好意的に見るべきか。

 作り手もふたりだけでは頼りないと感じたのかもしれない。彼らを追いかけるFBI特別捜査官としてザ・ロックことドウェイン・ジョンソンを配役する。この起用が素晴らしい。スクリーンに初登場してから随分経つというのに、どういうわけだか未だに鮮度を保っているジョンソンが、真面目な顔をしてふたりを追い詰める。これまでの同様、ジョンソンが真面目な顔をすればするほど、何故だか可笑しい。画面には緊張感とユーモアが漂う。これが捻りは効かされていない物語に豪快な蹴りを入れる。ジョンソンとディーゼルが一対一で格闘する場面はなかなかの迫力。ディーゼルもジョンソンに引っ張られて輝きを取り戻す。両方ともハゲのため、見分けるのが難しいのには困惑させられるものの、肉団子と肉団子がぶつかり合う画には、珍妙さも感じられるのが良い。

 基本はアクションはカースタントで見せるシリーズだけれど、それだけではない強烈な見所を要所要所に置いているのも作戦成功。冒頭の脱獄場面はオードブルでしかなく、その後「そんなわけないだろー」とつぶやくハメになるバカバカしくも楽しいアクションシークエンスが繰り返される。列車を追走しながらの車強奪場面では、列車の縦方向へのスピード感とそれに抵抗するかのような横に伸びるスタントが印象的。荒野の橋も有効活用される。スラム街でのFBIとの追いかけっこは、急な坂に建つ家々を意識したアクションが面白い。カースタントではどうしても横移動のアクションになるため、上下に目を揺さぶるのが新鮮に感じられる。前述のディーゼルとジョンソンのバトルでは、乗り物や武器には頼らない肉体と肉体がぶつかる魅力が溢れる。その後の急展開を示唆する重要な意味もある。そしてクライマックスはもちろん、車を使った現金強奪場面だ。ディーゼルとウォーカーが巨大金庫ごと街中を爆走するのに唖然呆然。ここまでやるかの豪快さ。スピード感に加えて、重量感が膨れ上がっているのがポイントだ。ほとんど大味に思われても仕方がないところなのに、妙に寛容な気分になるのは度が過ぎているからか。

 「仲間」というテーマが明確になっているのも良い味。少年ジャンプあたりが大好きなそれを匂わせる場面が方々に散りばめられている。大半が押しつけがましくない方法が採られているため、話の単純さがさほど気にならない。中盤のディーゼルの演説場面は余計だし、ある展開があった後のジョンソンの心変わりはギャグでしかないけれど。

 相変わらず、納得できないところもある。「殺しはしない」と言いながら、しかし結局一般市民に迷惑をかける行為ばかりなのが、腑に落ちない。死人が出なければ何をやってもいいのか。主人公たちを「アンチヒーロー」ではなく「ヒーロー」として描き出しているための違和感。そもそも…直接手を下さなくても、絶対に死人は出ているから!





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