スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション

スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション “Spy Kids: All the Time in the World in 4D”

監督:ロバート・ロドリゲス

出演:ジェシカ・アルバ、ローワン・ブランチャード、メイソン・クック、
   アレクサ・ヴェガ、ダリル・サヴァラ、ジョエル・マクヘイル、
   ジェレミー・ピーヴン、ダニー・トレホ、アントニオ・バンデラス

声の出演:リッキー・ジャーヴェイス

評価:★




 今手元にあるハガキサイズのカードには「4Dミッションカード AROMA-SCOPE」と記してある。画面に番号が点滅表示されたら、カードの番号を擦ると匂いが出る仕掛けなのだ。「スパイキッズ3-D ゲームオーバー」(03年)ではいち早く3D映像を取り入れていたロバート・ロドリゲス監督、それだけじゃ満足できないとばかりに今度は匂い付きの映画ときた。自分でカードを擦らなければならないアナログ加減が嬉しい。

 …という寛容な気分にちっともならないのは、作業が面倒臭いからに他ならない。画面作りと物語に集中していたいというのに、手を動かして集中力をそちらに回さなければならないなんて、大半の人にとっては鬱陶しいだけではないだろうか。僅かの時間でも画面から目を離さなければならないし、手元は暗いし、隣のオッサンは別の番号を擦っちゃうし、前のクソガキは匂いがしないと騒いでいるし…。いや、クソガキの言っていることは正しい。全然画面と匂いが一致しない。ずっと嗅いでいたいと思えない。まあ匂いはオマケみたいなものだし、こんなもんか。

 しかし、この匂い付きカードこそ、『スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション』でロドリゲスがやりたかったことなのだろう。ロドリゲスは映画館とテーマパークの境界を消滅させようとしたのだ。テーマパークの体感型アトラクションに入ったときのように、観客にも映画に参加してもらいたい。スパイキッズと共に飛んで跳ねて、そして匂いを嗅いで、暴れようじゃないか。子どもも大人も日頃の嫌なことを忘れちゃおーぜ。

 ロドリゲスの思惑はまことに結構なのだけど、それを実現するためにロドリゲス自身まで子どもに還る必要はないだろうと思うのだ。ロドリゲスは子どもを描くには子どもの目線にまで降りる必要があると考えたらしい。しかし、結局観るのは子どもだけではないはずで、なのに子どもの目線で見られる話は、子ども向けにしかならない。大人の目線で子どもを描くことで、思いがけず見える子どもの面白さが皆無。シリーズ一作目の楽しさのキモはまさにここにあったと思う。嘔吐物や排泄物を絡める件も、わざわざ匂いを出させる件も、子どもにしか面白くないはずだ。

 ロドリゲスは3Dのための映像、そして匂いのためのエピソードを強引に作り出していて、話はテキトーそのものだ。いくらスパイグッズが沢山出てきても、一向に胸が弾まない。ロドリゲスの興味が明後日の方向に向いているからだろう。

 子ども向けの作りゆえか、ジェシカ・アルバが無駄脱ぎしないのが惜しい。臨月姿でのバトルが見せ場というのは寂しいというもの。子どもたちもたいして愛らしく撮られていない。リッキー・ジャーヴェイスが声を当てている犬ぐらいだろうか、クスリとできたのは。

 それにしても主人公である双子の姉弟がクライマックスで全く活躍しないのには驚いた。最後は姉弟が将来有望なスパイキッズらしくカッコ良く悪をやっつけるシーンでキマリだろうに、ほとんど傍観者的立場で終わっている。ロドリゲスよ、初心を取り戻して欲しい。





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