LIVE! ライブ

LIVE! ライブ “Live!”

監督:ビル・グッテンタグ

出演:エヴァ・メンデス、デヴィッド・クラムホルツ、ケイティ・キャシディ、
   ジェフリー・ディーン・モーガン、ロブ・ブラウン、エリック・ライヴリー、
   ジェイ・ヘルナンデス、モネ・メイザー、ポール・マイケル・グレイザー、
   ミッシー・パイル、アンドレ・ブラウアー、シャーロット・ロス

評価:★★




 リメイクが作られた「ローラーボール」(75年)や「デスレース2000年」(75年)の例を挙げるまでもなく、人は好奇心を抑えられない生き物だ。例えば人が死ぬところなど見たくないと常識を振りかざしても、手軽にそれが見られるとしたらついつい理性を忘れてしまう。ダイアン・レインがサイバー捜査官を演じた「ブラックサイト」(08年)で犯人が、視聴者数が上がれば上がるほどターゲットが無惨な死に近づいていく、人の好奇心を利用した罠を仕掛けたのも記憶に新しい。人はそれほどに愚かな生き物だ。別に『LIVE! ライブ』に教えてもらわなくても知っている。

 エヴァ・メンデス演じるTV局のエグゼクティヴは、視聴率獲得のためにロシアン・ルーレットで人が死んでいく様を見せる番組を作る。倫理観を無視した突拍子のないアイデアに思えるものの、実のところ物語自体は意外な展開はほとんど見せない。メンデスはまず、TV局側からの反対に遭う。それをすり抜けると、メディアからのバッシングを受ける。今度はその話題性をプロモーションに利用、遂に番組は始まる。一人ひとりが引き金を引き、しかし最初の数人は当然のようにそれをクリアーしていく。見えてくるのは、死を見世物にする浅はかさであり、それに喰らいつく低俗な大衆心理だ。うん、想像通りの展開。

 要するにこの映画、リアリティTVが大人気を誇る今の世の中に問題提起しているつもりのようで、誰もが気づいているそれをなぞって見せているに過ぎない。人は愚かなりにも考えることができる。誰もが倫理的におかしいと承知している。承知した上で惹かれてしまう、キモとなる部分に目を向けないのがつまらない。

 モキュメンタリースタイルにしたのも間違いだろう。モキュメンタリーとして見せるその意義は、現実性の強調にあるだろうに、いかにも絵空事のままに進む物語でそれを採用しても効果は表れない。むしろ嘘臭さをアピールすることになる。風刺性をバンバンに効かせた寓話として正攻法に見せた方が、断然活きた題材だろう。終幕でひとりの女性出場者が番組側が予期していなかった行動に出て会場を撹乱する。そういう捻りを次々注ぎ込む土台にもなったはずだ。

 メンデスはある展開があって、後悔する。自分が基礎から創り上げてきた番組を、後悔する。それまであんなに自信に満ち溢れていたのに、後悔する。視聴率の上昇に目を輝かせていたのに、後悔する。終幕のこの件は全くもって、不要だ。急に道徳心を思い出して、どうするというのか。エグゼクティヴの怪物性をチープに扱ってどうするのか。

 見所はメンデスのビジネスファッションだ。デキる女らしく、どの場面もスタイリッシュにまとめ上げている。野心家の女の役に、メンデスの力のある目、褐色の肌、そしてボリュームたっぷりの肉体がピッタリだ。何と言うか、身体全体が爆弾っぽい。「朝から肉喰いまっせ」的迫力だ。





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