くまのプーさん

くまのプーさん “Winnie the Pooh”

監督:スティーヴン・アンダーソン、ドン・ホール

声の出演:ジョン・クリース、ジム・カミングス、バド・ラッキー、
   クレイグ・ファーガソン、ジャック・ボールター、トラヴィス・オーツ、
   クリステン・アンダーソン=ロペス、ワイアット・ホール、
   トム・ケニー、ヒューエル・ハウザー

評価:★★★




 よくよく考えてみると、プーさんが動いているのを見たことがなかった。いや、実際は見ているのかもしれないけれど、少なくとも見た記憶がない。記憶の中のプーさんはいつも絵本の中にいて、はちみつのツボの中に手を突っ込み、とても嬉しそうな顔をしていた。はちみつさえあれば幸せという顔だった。それが心に焼きついているからだろうか、はちみつを見るといつもプーさんを思い出す。

 何をノスタルジックに浸っているのかと笑われるのかもしれない。しかし、35年ぶりの製作となるらしい映画版『くまのプーさん』は、そうした子どもの頃の記憶を思わず呼び起こしてしまうような作りだ。プーさんとクリストファー・ロビン、その仲間たちが森の中で過ごす、他愛なく、平凡で、でもかけがえのない一日。消えてしまったロバのイーヨーの尻尾を捜すところから始まり、クリストファーが消えてしまい、謎の怪物対策に忙しくなり、落とし穴に落っこちて、そして最後はもちろんハッピーエンド。「こんな仲間、いたらいいな」という真っ直ぐな声が仕込まれている。

 今更仲間も何もないだろうと思われるだろうか。でもそんなことが、とても大切なのだと優しく語り掛ける。プーさんが大好きなはちみつにようやく辿り着いたときに見せるある決断など、不覚にもホロッとくる。

 背景の描き込みの繊細さ、美しさには目を奪われる。コンピュータでは到底表現し得ない手描きの味。水彩の涼しげな色合いがスーッと染み入る。プーさんたちもこの背景あればこそ、伸び伸び駆け回ることができる。映画として見せる意義は、ここかもしれない。

 ミュージカル要素が入ってきたのには意表を突かれた感。プーさんたちが歌うイメージは全然なかったからだ。エンディングに聴き覚えのある声が流れてくると思ったら、ゾーイ・デシャネルだった。画面いっぱいに良く響く歌声だ。

 初めて知った、或いはほとんど忘れていたこともある。プーさんたちがクリストファー少年の想像の森に生きているぬいぐるみだということ、ラビットがじいさん(?)であること、プーさんでさえ声がオッサンであること。

 そうそう、自分がプーさんと仲間たちの名前を全員覚えていたことには驚いた。それくらいプーさんはいつの間にか身体の中に入り込んでいたということだろう。ただのはちみつ好きのくまではない。





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