ソリタリー・マン

ソリタリー・マン “Solitary Man”

監督:ブライアン・コッペルマン、デヴィッド・レヴィーン

出演:マイケル・ダグラス、スーザン・サランドン、ジェナ・フィッシャー、
   ジェシー・アイゼンバーグ、メアリー=ルイーズ・パーカー、
   イモジェン・プーツ、ダニー・デヴィート、リチャード・シフ

評価:★★★★




 マイケル・ダグラスはとても分かりやすいスターだ。酒と金、そして女(セックス)が似合う。不思議とドラッグの匂いは薄い。俗っぽさを隠すことなく、なのにスターのままであり続けているのが面白い。プライヴェートのパートナーがキャサリン・ゼタ=ジョーンズであるのも素晴らしい。『ソリタリー・マン』はそういうダグラスのイメージそのままを活かした一品。詐欺行為を働いたことをきっかけに転落、そこから這い上がろうとするも、女好きが原因でますます窮地に立たされることになる男の物語。主人公の名前が「マイケル・ダグラス」でないのが残念だ。

 ダグラスが演じるベン・カルメンは還暦のダメ男だ。打算的で、利己的。女を見ると欲情、歯止めを利かせるということを知らないらしく、地位と名声を失っても、目が追うのは女の胸と尻でしかない。好きなように生きていると言えば聞こえが良いけれど、下半身がだらしないだけとも言える。

 ただ、それでもカルメンはチャーミングなのだ。ここにダグラスの妙にしぶとい魅力が見え隠れする。これだけ男の下種な部分を全開にさせているのに、一向に嫌いにはなれないのは何故。以前煩いくらいだったギラギラ感が歳を重ねて薄まったことも大きいし、何より「俺はこのままで行くぜ」という開き直りが無邪気さを強調していると思う。ジェシー・アイゼンバーグ(またしても童貞青年役)に女をデートに誘うアドヴァイスをし、イモジェン・プーツにセックスで快楽を得る方法を指南するときの、生き生きとした表情が堪らなく可笑しい。

 物語は女大好きのカルメンが堕ちていく様、誰もいなくなってしまう様、それでも変わろうとしない様を描き出す。そして特に、そんなカルメンでもふと感じる、心の隙間風を丁寧に掬い上げる。人生の孤独がひたひたと忍び寄る。カルメンはしかし、それに気づかないフリをする。そこに生きる侘び寂びのようなものが漂う。

 それにしても、ダグラスと言えど、いきなり恋人の娘とベッドインする場面には驚いた。ダグラスの枯れ具合に寄り掛かった、しみじみと良い話風を強調した映画かと油断していたら、オヤジ現役、18歳の少女って!しかも、懲りることなく恋人(重ねて言うが、娘の母だ)がすぐ近くにいるのに18歳を口説き始めるって!非難するべきではない。むしろ讃えるべきではないか。違うか。

 カルメンはラストシーンである決断を強いられる。女の尻を追いかけ続けるか、それとも今度こそ一からやり直すか。どちらに転んでも結局女からは逃れられない(女を逃がさない?)だろう。その画を簡単に想像できてしまう男。うん、こういうの、嫌いじゃない。へこたれない、打たれ強い、捻くれたヴァイタリティの魔法がちらつく。





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