ザ・ルームメイト

ザ・ルームメイト “The Roommate”

監督:クリスチャン・E・クリスチャンセン

出演:レイトン・ミースター、ミンカ・ケリー、キャム・ギガンデット、
   アリー・ミシャルカ、ダニール・ハリス、フランシス・フィッシャー、
   トマス・アラナ、ニーナ・ドブレフ、ビリー・ゼーン

評価:★★




 オリジナルの「ルームメイト」(92年)は何と言っても、作品自体の出来映えはともかく、ジェニファー・ジェイソン・リーが怖かった。家賃対策のためルームメイトを募集、大変地味な女と暮らすことになったヒロインを描くサイコスリラー。ブロンドのショートカットが鮮烈だったヒロイン、ブリジット・フォンダも悪くなかったけれど、より胸に残ったのはリーだ。地味なルームメイトの、ジワジワと染み入るような怖さを執拗に体現。どの場面も冷気が静かに感じられたことを思い出す。ほの暗く、しっとり。陰鬱で、ひんやり。

 リメイクとなる『ザ・ルームメイトは』、それに較べると随分と画面が明るい。それもそのはず、中心となる女ふたりの年齢が少々若くなり、大学に入り立てという設定。学園ドラマの色が意識的に出されている、ダークに演出しようと思っても、学校や女子寮特有の明るさはなかなか隠せない。もちろんキャストも若返り、中心人物としてミンカ・ケリーとレイトン・ミースターが選ばれている。

 ポイントになるのはもちろん、オリジナルでリーが演じたサイコなルームメイトを演じるミースターということになる。ところが、これが一本調子で全然怖くない。ミースターは次第に狂気を押し出してくるという演技はしていない。最初から怪しさ満点。いつも虚ろな目。不快に思っていることがすぐに分かる表情。全てにおいて過剰な心理・思考。普通じゃない空気がぷんぷんに出ているため、異常に気づかないケリーがあんぽんたんに見えてくる。

 演出も幼い。暴走を始めたミースターの、「ケリーに近づく者を排除する手口」を全て見せる魅せ方で、想像力をちっとも信じていない。不快さを怖さと混同しながら、残酷なそれを強調することの繰り返し。ミースターもそれを受け入れて、満足気に暴走している。そしたら、いるわいるわ、獲物がいるわ。分かりやすくターゲットとなった獲物たちが、あっさり小娘ミースターに完敗を喫していく。なのになぜか、いちばん最初に目をつけられてもおかしくない「恋人」は最後まで狙われない。ホワイ。

 でもまあ、それほど欠点が気にならないのは、ミースターが一本調子なりに奮闘しているからか。「カントリー・ストロング」(10年)ではジュリアン・ムーア風だったミースターが、ここではアリシア・シルヴァーストーン風に登場。顔を歪めながら悪に手を染めていく。一見イケイケの風貌なのに、実は陰気というギャップの面白さ。クライマックスのケリーとのキャットファイトは…うーん、微笑ましくて微笑ましくて。

 そう言えば、オリジナルで最も恐ろしかったのは、リーの外見がフォンダの外見にそっくりになっていくところ、全く似てないふたりなのに似てきてしまうところだった。アイデンティティーの同一化。ここではそれが気持ち良いほど綺麗さっぱり省かれている。最後まで「友達になってー!」の幼稚さに貫かれているのだ。ひょっとして作り手は、オリジナルを研究しないままにリメイクに踏み切ったのかもしれない。勉強は大切だと誰か教えてやった方が良い。





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