ミート・ザ・ペアレンツ3

ミート・ザ・ペアレンツ3 “Little Fockers”

監督:ポール・ウェイツ

出演:ベン・スティラー、ロバート・デ・ニーロ、オーウェン・ウィルソン、
   ブライス・ダナー、テリー・ポロ、ローラ・ダーン、ジェシカ・アルバ、
   ダスティン・ホフマン、バーブラ・ストライサンド、ハーヴェイ・カイテル、
   デイジー・タハン、コリン・バイオッキ

評価:★★




 元々は「ロバート・デ・ニーロが義理の父親だったらどうなるか」というコンセプトが先にあったに違いない「ミート・ザ・ペアレンツ」(00年)。そこにダスティン・ホフマンとバーブラ・ストライサンドを投入したのが「ミート・ザ・ペアレンツ2」(04年)。どうやら作り手は強烈な個性を持つデ・ニーロに対抗するには濃いスターを投入すること(だけ)が重要だとフンだらしい。この勘違いは、そして三作目となる『ミート・ザ・ペアレンツ3』でさらにエスカレートする。笑いの質を磨くことを端から放棄して、新たにスターを起用して画面を派手にすることに全力投球。大味になっても可笑しくはならないのは当たり前だ。

 画面に溢れる大スターたちをまとめ上げるのは難しいことだとつくづく思う。誰も彼もが自分がいちばんのスターだと思っているから(別に愚かしい考えではない。それでいいのだ)、カメラに映る度に自分を前面に出そうとする。フィルムに焼きつけられた自分が輝くこと、それこそが仕事だからだ。演出家はそういうスターの存在を映画のストーリー上で的確にデザインしていかなくてはならない。ただ、スターの数が多ければ多いほど、デザインは困難になる。スターのオーラほど扱い辛いものはない。引き出そうとしてもないものは引き出せないし、抑えようとしても簡単に実現できるほどに言うことを聞いてくれるものではない。デ・ニーロだけでも難しいだろう。それなのにそこにスティラーが、ホフマンが、ストライサンドが、オーウェン・ウィルソンが絡む。今回はさらにジェシカ・アルバが、ローラ・ダーンが、ハーヴェイ・カイテルが乗り込んでくる。見せ場を作るだけで一苦労。トカゲやネコにも気を遣っているあたりには苦笑。

 そうしてやっと出来上がったスター共演場面が、たいしたインパクトを残すものではないのが無念だ。デ・ニーロとカイテルの対決が庭工事の進み具合に関する意地の張り合いに終わっているのには眩暈がするし、スティラーがデ・ニーロの勃起した性器に注射しているところを子どもに見られてしまう場面の愚かしさには腰が抜ける。捨て身というよりも哀れに思える。

 一応デ・ニーロがスティラーに家長として今後を頼むという軸となる話が用意されているのだけど、ほとんどこれは機能していない。そこから派生したエピソードが最後に本筋に戻ってくることがないままだからだ。新しい自分に目覚めてスペインに出かけるホフマン、TVのトークショウが好調のストライサンド、相変わらずフラフラしているウィルソン…子どもたちの成長もほとんど話に絡むことなく、その場を魅せるだけで終始している。

 ほとんど唯一愉快だったのは、デ・ニーロから期待を告げられてその気になるスティラーの立ち振る舞いだ。「子どもたちへの一流の教育」「経済的安定」を目指し、まるで「ゴッドファーザー」(72年)のように佇まいを変えてくる。そうしたスティラーにデ・ニーロが疑いの目を向ける件はスパイ映画の趣が面白い。デ・ニーロに押されっぱなしだったスティラーの若干の逆襲。

 妙に力を入れて演出されていたのはアルバだ。バイアグラのセールスをしている製薬会社社員役(名前が“アンディ・ガルシア”というのが可笑しい)。スティラーに勃起治療について説明させたり、肛門から管を入れる患者の手伝いをしたり、意識的に男のバカな妄想を叶えてくれる。終盤にはパンティとブラジャーになって、スティラーに襲い掛かる身体を張った場面もあって、どう考えても作り手がいやらしい目線で撮っていることが筒抜けだ。初登場場面のブルーのドレスも綺麗だったし(ちょっとマンディ・ムーア風ヘアスタイル)、うん、結局アルバはこうやって使うしかないのかもしれない。





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