ドライブ・アングリー3D

ドライブ・アングリー3D “Drive Angry 3D”

監督:パトリック・ルシエ

出演:ニコラス・ケイジ、アンバー・ハード、ウィリアム・フィシュナー、
   ビリー・バーク、シャーロット・ロス、クリスタ・キャンベル、
   トム・アトキンス、ケイティ・ミクソン、デヴィッド・モース

評価:★★




 3D映画が幅を利かせるようになって数年経つけれど、『ドライブ・アングリー3D』ほどそれを意識した映画はなかったのではないか。奥行きを出す見せ方なんかには目もくれず、ひたすら「飛び出す」楽しさに賭けている。物語なんてどうでも良い。キャラクターの描き込みも二の次三の次だ。とにかく画面に映ってるもんを飛び出させようぜ!

 そうして『ドライブ・アングリー3D』で飛び出してくるのは、銃弾であり内臓であり車であり女の裸である。高尚さなんてクソ喰らえと絶叫しながら、チープに物をスクリーンの外に放り投げてくる。非常に有難いのはスローモーションが多用されていることだ。3Dと素早いアクションは極めて相性が悪い。目が追いつかない。それを知ってか知らずか、アクション場面になると突然スローモーションになり、ちゃんと何が飛び出してくるのか、判断できるようになっている。

 それにしても細部の作り込みのデタラメさには笑う。ニコラス・ケイジの不死身の肉体、ウィリアム・フィシュナーFBI捜査官の効き過ぎる嗅覚、ビリー・バークの大袈裟なカルト傾倒…ギャグスレスレというより、そのまんまギャグだ。ケイジなど素っ裸の女と合体したまま銃撃戦をこなす離れ業をキメる(後で女がそのことを嘆くのが可笑しい)。中途半端にブロンドをオールバックにしてサングラスをかけちゃうと、Mr.マリックにしか見えないんだけど。

 ケイジと一緒に車と銃をぶっ飛ばすアンバー・ハードがとてもイイ。美しく伸びた手足と流れるブロンド。素っ裸にならないのは惜しいものの、ケイジに負けじと拳を振り上げ、蹴りをカマし、銃弾をぶっ放す様が、なかなかエロティックだ。眼差しに力があるのも頼もしい。

 昨今のニコラス・ケイジ映画は珍作ばかりが並ぶ。『ドライブ・アングリー3D』も一見同じ棚に入れて良いような気もするのだけれど、実はそれらとは違うのではないかと思う。何と言っても、意識的にバカを強調しているのが引っ掛かる。真面目に取り組んでいたら、思いがけずバカに近づいてしまった…というのではない。最初からバカ狙い。その証拠にいくら人が死んでも痛みはない。彼らはバカを追求するための魂なき肉体なのだ。映画として、これは相当に虚しい。

 せめてケイジとその娘の関係を深く掘り込んで欲しかった。これでは映画ではなくテーマパークのアトラクション。いや、アトラクション用映画と言うのがピッタリか。決して退屈するわけではないし、興奮のツボを刺激される描写も用意されているのに、常に寂しい気分が付きまとう。映画って何だろうと考え込む。





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