メタルヘッド

メタルヘッド “Hesher”

監督:スペンサー・サッサー

出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、デヴィン・ブロシュー、
   ナタリー・ポートマン、レイン・ウィルソン、パイパー・ローリー、
   ジョン・キャロル・リンチ、フランク・コリソン、
   オードリー・ヴァシレフスキ、ポール・ベイツ

評価:★★★




 ひょっとするとジョセフ・ゴードン=レヴィットには内向的なイメージがついているのかもしれないけれど、彼がブチキレ演技を見せるのは『メタルヘッド』が初めてではない。「キルショット」(09年)では事ある毎に銃をぶっ放すイカれたチンピラを嬉々として演じていたし、「G.I.ジョー」(09年)の悪役も堂に入っていた。起用な役者なのだ。ゴードン=レヴィットのキレ方には芸がある。無闇やたらと騒いで気分を出す、そこいらの輩とは力の差は歴然。この映画など、彼の存在こそが見ものになっている。

 『メタルヘッド』のゴードン=レヴィットは小汚い。腰まで伸びた長髪、口回りを無造作に覆うヒゲ、半裸になれば腕も背中もチープなタトゥーが彫られている。何より匂ってきそうに全身が汚らしい。…にも関わらずグッと惹きつけるものを持っている。カリスマ性という言葉を使うと途端に安く聞こえるけれど、そうとしか表現できない空気を発散している。詩情までもが漂う。いや、ホント小汚いのに。

 ゴードン=レヴィット演じるヘッシャーの存在が深く説明されないのが効いている。“メタル浮浪者”みたいな佇まいで、母を亡くした喪失感に対処できない少年の前に現れる。そして彼に向けてタメになる熱烈なメッセージを…一切伝えない。寝床と食い物をくれる場所を見つけたぜラッキー…とばかりに、当然のように家に寝泊りするのが可笑しい。バアサンとやけに親密になるのも脇腹をくすぐる。性欲・食欲・睡眠欲を隠さず、それどころかそれを下品な言葉で飾り立て、しかしそれが何故か少年の心を動かしていく。

 新味のない展開ではあるものの、少年がヘッシャーを媒介にして「世界」と衝突していく感じが良く出ている。世間には少年少女が理想的、或いは型破りな教師と出会うことで人生を変えていく物語が多いけれど、この映画も実はそれと変わらない。真っ当な作りだ。もっと突き抜けてくれても良かったのだけど、まあ健闘している方だろう。

 へヴィメタルがさほど流れなかったのは残念なところだ。ゴードン=レヴィット登場場面のカッティングギターのカッコ良さを全編に炸裂させても良かったのに。作り手からしてみれば「ゴードン=レヴィットこそヘヴィメタル。ずっと流れっぱなしだろ?」ということなのだろうけれど…。

 さて、冴えないレジ係役でナタリー・ポートマンが出てくる。メガネをかけて美しさを隠しているのだけど、いや、これが可愛い。どん詰まり感も含めて、ギュッと抱き締めたくなる愛らしさ。可愛い人は結局、何をやっても可愛い。インディーズ映画に無理なく溶け込む透明感も大変貴重。ポートマンがノッていることは間違いない。





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