プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂

プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂 “Prince of Persia: The Sands of Time”

監督:マイク・ニューウェル

出演:ジェイク・ギレンホール、ジェマ・アータートン、ベン・キングスレー、
   アルフレッド・モリーナ、スティーヴ・トゥーサント、トビー・ケベル、
   リチャード・コイル、ロナルド・ピックアップ、リース・リッチー

評価:★★★




 1分間だけ過去に戻ることができる「時間の砂」が、重要アイテムとして出てくる。まるでドラえもんの道具のようで、本当にあるのならばぜひとも入手したい。この手の魔法アイテムで難しいのは、使うタイミングだ。場面ごとに使っては何でもありになってしまうし、のび太レヴェルの混乱しか生み出せないだろう。だからと言って慎重になり過ぎてしまっては、アイテムの面白さが全然伝わらない。何のために主人公たちが戦っているのかうっかり忘れてしまうことも考えられる。実に映画的でありながら、実に扱い辛いのが魔法アイテムなのだ。

 脚本家も頭を悩ませたことだろう『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』は、危惧したほどに「時間の砂」は乱用されない。慎ましやかに、しかしポイント毎に使われて、程が良いと言って良いだろう。ただ、物語上の無理はどうしても隠せない。今こそ使うべきだろうというときに使われないもどかしさが次から次へと生まれてくる。縛りの部分をもっと丁寧に描いていたら随分メリハリある展開になっただろうに、登場人物の知恵不足があからさま。それから結末に関しては、不安的中、ご都合主義が過ぎる。重要な登場人物が次々死んでいくと思ったら、案の定…。

 監督のマイク・ニューウェルがこの手の冒険活劇を手掛けるのは、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(05年)という例外はあるものの珍しい。TVゲームが基になっていることを感じさせないのは、さすがと言うべきか。ただ、アクション演出にはさほどセンスも熱も感じられず、肩透かしを喰らった感。スタントが使われていることが明白な撮り方なのが冷静な気分にさせる。派手なアクションも多いのだけれど、「こなしている」のが透けているのだ。

 でもまあ、テンポは快調。どんどん進んでいく物語の流れに一旦乗ってしまえば、後は前述の点も含めて、突っ込みを入れながら楽しめば良いという映画だ。妙に大らかな気分を誘ってくる。ただ口をポカーンと開けて、「時間の砂」をめぐる「取って取られて」を繰り返すのみの展開を笑えば良い。兄弟愛の見せ方もとても分かりやすい。入り組んでいるように見えて、極めて単純なストーリー。大量破壊兵器を連想せる武器があったなかった云々の件に目を留めて、現代の鏡になっていることを感じ入るなんて、バカバカしい。

 可笑しいのはキャスティング。中東が舞台になっているのに、出てくるのはハリウッド俳優ばかりで、それにも関わらず何の違和感もない。ベン・キングスレーはもちろんのこと、ジェイク・ギレンホールやアルフレッド・モリーナ、ジェマ・アータートンまですんなり中東の風景にすんなり溶け込んでいる。中でもギレンホールがアクション大作のヒーローとしてなかなかの存在感を発揮しているのには驚いた。作品のスケールに負けない大きさを感じさせるし、アータートンとロマコメ風カップルの掛け合いを見せるのも手際良し。身体の動かし方もとても気持ちが良い。身体をみっちり作り込んではいるものの、マッチョぶりをアピールし過ぎないのも有難い。慣れない現場で奮闘するギレンホールを広い心で見守っている自分に気づく。





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