アニマル・ウォーズ 森林帝国の逆襲

アニマル・ウォーズ 森林帝国の逆襲 “Furry Vengeance”

監督:ロジャー・カンブル

出演:ブレンダン・フレイザー、ブルック・シールズ、
   ディック・ヴァン・ダイク、ケン・チョン、サマンサ・ビー

評価:★




 戦争するのは良くないと言うのは簡単だ。原子力発電は危険だからやめるべきだと言うのも簡単だ。もちろん、アレコレ考えた末の意見ならば大変尊いものだ。ところが、残念なことに世間ではそうでないものも多い。言葉の持つイメージに単純に反応するだけで、自分で考えることを放棄、世間の流れに乗っかっただけの愚かな意見もたっぷりとある。同じように『アニマル・ウォーズ 森林帝国の逆襲』、環境破壊について問題提示しているつもりのようだけれど、「理由なんて要らない。とにかく何が何でも守るべき」という「良い人」である自分を確認したいがためだけの嘘臭い叫びでギュウギュウ詰め。最初から最後まで、ゲンナリ。

 何しろ作り手の愚鈍な「良い人」的思考がベースにある映画だ。物語は極めて単純で、極めて退屈だ。「人間=悪」「動物=善」とする幼稚な分離法の下、人間は地域開発のため、動物は住処を守るために駆け回る。…と言っても、動物が一方的に人間を攻撃しているだけというのがスゴイ。地域開発の鍵を握る男にターゲットを絞り、動物たちはコイツは死んでも構わないとばかりにやりたい放題。まるで正義を建前にしたイジメ。思い出すのはクリス・コロンバス監督の「ホーム・アローン」(90年)だ。泥棒に扮したジョー・ペシとダニエル・スターンが、一見可愛らしいマコーレー・カルキンにとことん叩きのめされる。

 ペシとスターンはまだ良かった。ふたりだから攻撃が分散された。ところが、ここでのブレンダン・フレイザーは攻撃をたった一人、集中して受ける。水攻めに遭うわ、椅子から転げ落ちるわ、股間を強打するわ、糞尿塗れになるわ、車ごと崖から転落するわ…。たっぷり脂肪を蓄えたとは言え(腹の出っ張りに驚愕)、これだけ攻撃されたら、そりゃフレイザーもボロボロになるだろう。実のところ、フレイザー自身は決して悪い男ではない。ちゃんと善の心を具えた男だ。その彼がバカな上司の命令に逆らえず、それゆえに痛めつけられる様は、決して笑えるものではない。動物が仕掛けることとは言え、全く芸がないし。

 しかもこの映画、なんとこの芸のないイジメの繰り返しだけで最初から最後までモタせている。大の大人が小さな動物たちにコテンパンにやられる、それに大笑いできるのは、それこそ小学生までだろう。妻と息子はフレイザーの話を全く信じることなく、彼の精神異常を疑うばかり。息子のガールフレンドは環境保護を掲げるしか脳がないようだ。拷問のような幼さが、「森林伐採いいじゃないか。地域開発結構じゃないか。環境破壊万歳!」という血迷った気分にいたらしめる。ほとんど逆キャンペーン的。

 大体、動物の表情をCGで作っているのがくだらない。動物たちを喋らせなかったのは唯一の美点だけれど、それを帳消しにするように動物の表情作りにCGを持ち込んでいる。笑うアライグマ、全然可愛くない!

 リス、山ネズミ、七面鳥、カラス、スカンク、ワシ、ビーバー、クマ、ハリネズミ、ウサギ、カワウソ…どれだけ動物が出てきても全然盛り上がらない。ほとんどニューハーフにしか見えないブルック・シールズの方がマシだなんて、こんな不幸なことはない。





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