ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える

ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える “The Hangover Part II”

監督:トッド・フィリップス

出演:ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、
   ジャスティン・バーサ、ケン・チョン、ジェフリー・タンバー、
   ポール・ジャマッティ、ジェイミー・チャン、メイソン・リー、
   マイク・タイソン、サーシャ・バレス、ニック・カサヴェテス

評価:★★




 「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(09年)の続編だから、どれだけ破天荒な笑いが繰り出されるだろう、どれだけぶっとんだ笑いが打ち込まれるのだろうと期待する。一作目はそれだけハチャメチャに可笑しかった。ところが、タイの安ホテル、待ってましたの史上最悪の二日酔い場面前後あたりから、酷く冷静な自分に気づくことになる。早くも「マンネリ」という言葉が頭に浮かぶ。

 どうやら『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』は一作目で面白かった点の補強に全力が注がれた映画だ。記憶をなくした二日酔い場面から始まり、何が起こったのかを解き明かしていく構成。行方不明者の捜索。結婚絡みの展開。不自然に、強引に登場する脇役。写真を使った種明かし。ジャスティン・バーサは今回も冒険に加わらず、ザック・ガリフィアナキスはまたしても笑いの中心で暴走する。

 いや、マンネリが全て悪いと言うわけではない。前作のファンへの目配せはあってもいいし、そういうネタが仕込んであることでニヤリとすることだってある。ただ、舞台をラスヴェガスからバンコクに移して同じことを繰り返すだけというのは、あまりにも芸がないのではないか。一作目は男たちのだらしなさを笑い飛ばし、その根底にある結束にエールを送り、なおかつ謎解き(脚本)の面白さで、どの場面も痛快に弾けていた。それはそれまでに見たことのない突き抜け方だったと言って良い。心のこもった男のバカを徹底的に焼きつける。こんなバカ、むしろカッコイイじゃないかと思わせるほどに。言わば、志の高いバカ。それと同じスタッフ、キャストが同じバカを見せて満足するというのは、どうしたって生温く感じられるというものだ。バカの志が低くなってしまった。

 部屋は滅茶苦茶、顔に刺青、頭はボーズ、そしてなぜだかジャケットを着た猿がいる。これが二日酔い状態で目を覚ました男たちが目にする状況なのだけど、一作目に比べてインパクトがガクンと落ちた感は否めない。それだけ「赤ん坊」と「虎」の組み合わせは絶妙だったのだ。刺青もボーズも猿も、実際に自分が同じ状況に置かれたら相当に慌てふためくだろう。ただ、同じことを繰り返すだけの、しかも間違い探し的な構成の中では、スケールダウンを感じてしまう。笑いが萎んだ印象を受けてしまう。

 散りばめられた笑いも不発の印象が強い。多くの続編映画と同じく、「より過激に」を目指していることは明白だけれど、この男たち特有のバカに裏打ちされたそれにはなっていない。下ネタが過ぎても、血が流れても、残酷さが増しても、「それでも最後はバカが勝つ」的な破壊力は薄まった。人間的本能とバカと笑いの粘着力が弱いのだ。伏線の回収が上手く機能していないことからも分かるように、やけに雑な脚本に問題がある。

 そもそもバンコクが笑いに向いていないのではないか。ラスヴェガスと同じく熱気があるのは歓迎したいものの、どうも湿気が多過ぎる。カラッと弾けようとしても、笑いに湿気が混じり込み、立ち上がりを緩くする。白人とアジアの猥雑さの相性の問題もあるかもしれない。浮き方がスクリーンに馴染むまでに時間がかかる。

 おそらく三作目が作られることは間違いない。今回同様、同じことを繰り返すのか。それとも志の高いバカとして新しい笑いを目指すのか。期待するのはもちろん後者だ。ガリフィアナキスの笑いなど、もっと捻りを効かせられるはず(花婿の義弟への態度は、数少ない笑えるポイント)。ルールを打ち破ることこそ、彼らに課せられた使命というものだろう。





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