スカイライン 征服

スカイライン 征服 “Skyline”

監督:コリン・ストラウス、グレッグ・ストラウス

出演:エリック・バルフォー、スコッティ・トンプソン、
   ブリタニー・ダニエル、デヴィッド・ザヤス、ドナルド・フェイソン、
   クリスタル・リード、ニール・ホプキンス、ロビン・ガンメル   

評価:★




 「インデペンデンス・デイ」(96年)と言ったら、ローランド・エメリッヒ監督による駄作だ。アメリカ万歳的な浅はかな短絡思考に貫かれているのが頭痛を誘う。この映画が最も不幸だったのは、『スカイライン 征服』の前に封切られてしまったことではないかとふと思った。『スカイライン』を観た後に「インデペンデンス・デイ」を観たならば、傑作とは言わないまでも、うっかり佳作と判断してしまうかもしれないと思うのだ。宇宙人と人間の戦いを描くSFはこれまでにも数多く作られてきたけれど、どれもこれも『スカイライン』よりは面白いだろう。

 要するに、『スカイライン』は酷い映画だ。「魅せる」ということを放棄したとしか思えない場面の羅列。ストーリーらしいストーリーはなく、興味深い登場人物は見当たらず、撮影にも編集にも工夫がない。どうやら地球を侵略しにきたらしい宇宙人たちが、ロサンゼルスで大暴れ。なぜだか生き残った平凡な若者たちが、生き延びようと逃げ惑うだけ。どこに向かっているのかさっぱり分からない物語だけれど、主人公の青年はクルーザーで海に出ようと連呼してしつこい。なぜ海は安全なのか、それを語ることもせずに、頭の悪い返答ばかりなのが、映画を象徴していると言えるだろう。

 いちばん金がかけられているのが視覚効果であることは間違いない。問題はそこに独創的SFアイデアが見当たらないことで、その結果、出てくるのは既存映画で観たようなものばかりとなっている。もしかしたらパロディ映画のつもりなのかと疑ってしまうほど。前述の「インデペンデンス・デイ」はもちろん、「宇宙戦争」(05年)「エイリアン」(79年)「GODZILLA」(97年)「スター・ウォーズ」(77年)「キング・コング」(05年)「第9地区」(09年)…宇宙人襲来映画に限ることのない既視感が次々訪れる。

 せめて宇宙人の造形や行動は捻るべきではないか。地球にやってきていきなり攻撃。彼らなりのルールはなく、ひたすらに人間の捕獲に徹するという単純な繰り返し。ロボットなんだか生命体なんだか判断し辛いヤツらは、種類が豊富で、しかも個体数がやたら多い。見せない工夫などちゃんちゃらおかしいとばかりに、出ずっぱりで地球人に襲い掛かる。宇宙人と言えど、嫌だねー。襲い方にセンスがない。

 センスがないと言えば、ほとんど許し難いと思ったのは、青のイメージだ。宇宙船からは青白い光が放たれ、それを見つめた人間たちはどんどんそれに吸い込まれていく。この際の青白いイメージが全編に渡って散りばめられているのだけれど、全く美意識の感じられないチープさで、それを得意気にシンボリックなものとして捉えているようなのが堪らない。B級映画と言えど、もう少しなんとかなるだろうよ。

 頭を空っぽにして大きな心で観れば楽しめる駄作というのは確かにあるのかもしれない。『スカイライン 征服』はしかし、それにも当てはまらない。安いだけの映像が頭を空っぽにするという単純作業すら許さないためだ。観ている間中感じる苦痛だけがホンモノ。SF映画の底辺に直面した感。





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