レギオン

レギオン “Legion”

監督:スコット・スチュワート

出演:ポール・ベタニー、ルーカス・ブラック、タイリース・ギブソン、
   エイドリアンヌ・パリッキ、チャールズ・S・ダットン、
   ジョン・テニー、ケヴィン・デュランド、ウィラ・ホランド、
   ケイト・ウォルシュ、デニス・クエイド

評価:★★




 一人でダイナーに入ってきた足の悪いバアサンが突然、他の客の首にかじりつく場面には笑った。穏やかな表情を浮かべていたバアサンなのに、段々言葉が汚くなり、表情が歪み、遂には本性を現すのだ。かじりつくだけならまだしも、肉を引きちぎり、さらには壁をよじ登り、天井を四つん這いで走り抜ける。バカバカしいB級映画のノリが楽しいじゃないか。でも、後が続かない。

 神様が人間を見限り、天使を使って総攻撃を仕掛けてくるという設定はイイ。大天使ミカエルが人間側について天使たちと戦うという設定もイイ。見限ったなら放っておいてくれればいいじゃないかという気もするけれど、まあ神様はお節介なのだろう。お節介につける薬はない。

 ただ、真面目に信仰心を持っている人たちに気を遣ったのか、人間たちがやたらと自分たちの人生観を語るのはやめてくれ。ダイナーを経営する父親は過去の失敗を息子に説き、息子は愛する人に自分が守ることをことあるごとに宣言。それだけならまだしも、ダイナーに集まった人間たちが次々に自分の人生をもっともらしく語り出し、無茶苦茶な物語のイイワケをしているように見えてくるのだ。天使を悪者に描くという人を喰った設定ゆえに、ちょっとは真面目なところも見せておこうという打算が退屈。案外少ないアクション場面を繋いでいる大半がこの語りで、喋るのはいいからもっと積極的に戦ってくれないかと悪態をつきたくなる。

 そもそも「天使 vs. 人間」という設定以上のアイデアが見当たらないあたりに、作品の限界を感じる。人々がダイナーに立て篭もって敵と戦うというシチュエーションはゾンビ映画でおなじみのもの。ハエが大量に押し寄せるというのもどこかで見た演出だ。そして人間たちが、人間側についているミカエルが、銃を使って敵に対抗するばかりなのがつまらない。人間の身体を乗っ取った天使たちも、それにあっさり殺られていくのだ。もっとB級映画らしく割り切った弾け方を見せるべきだろう。ハチャメチャでいいから、お行儀良くなくていいから、順番に襲い掛かってこなくていいから、バカバカし過ぎてもう笑うしかないというアクションをどうして連発できなかったか。

 思うに、ミカエルが冒頭で羽根を切り落としてしまうのが間違いだったのだ。終盤に襲い掛かってくる大天使ガブリエルはちゃんと羽根を持って登場して、これがカッコイイんだかマヌケなんだかよく分からなくてイイ。羽根で身体を包み、くるくる回って、銃弾を跳ね返すのが可笑しかった。もしミカエルが羽根を切り落とさなかったら、銃などには頼らない、天使ならではのアクションがたくさん拝めたに違いないのに。ミカエル役のポール・ベタニーが鶴見辰吾にしか見えなかったのは、軽くショック。

 天使の羽根を見て、エマニュエル・ベアールが人間の言葉を話せない天使を演じた「天使とデート」(87年)という作品を思い出した。ベアールのぶりっこ風天使演技が楽しいアイドル映画で、羽根はもろに手作りを感じさせた。『レギオン』の天使の羽根も手作り色を前面に出してくれていたら良かったのに。金をかける場所が違うだろう。





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