赤ずきん

赤ずきん “Red Riding Hood”

監督:キャサリン・ハードウィック

出演:アマンダ・セイフライド、シャイロー・フェルナンデス、
   マックス・アイアンズ、ゲイリー・オールドマン、ビリー・バーク、
   ヴァージニア・マドセン、ジュリー・クリスティ、ルーカス・ハース

評価:★★




 監督がキャサリン・ハードウィックで、ヒロインの父親がビリー・バークで、そして何より途中で河合奈保子の「けんかをやめて」が流れ出す。…と来たら、これはもう「トワイライト」シリーズ(08年~)だろう。赤ずきんちゃんが大人になったら?…なんてユニークな設定こそ用意されてはいても、それはさほど重要な意味をなさない。美しく成長してモテモテガールとなった赤ずきんが、それにニンマリしながら、人間にバケた狼を捜す話。うん、これならば「トワイライト」シリーズファンも泣いて喜んでくれるはずだ。…ということらしい。

 ハードウィックは『赤ずきん』の物語を、ヒロインの成長の中には見ていない。それほどに野心はないのだろうか、「村人たちを殺した狼の正体は誰でしょう?」という、あまりにも安易な謎解きに置いている。

 したがっていちばん力が入れられているのは、どうやってミスリードするかということだ。小さな村が舞台になってはいるけれど、名前がついているような役柄は多い。彼らは全員が容疑者だ。ジュリー・クリスティやヴァージニア・マドセンといった有名どころが登場、赤ずきんを愛する男の子ふたりも含めて、皆が皆、あからさまに怪しい動きと表情を見せるのに笑いがこみ上げる。赤ずきんも勘がイイものだから、それを目撃する度に驚いた顔をしてくれる。「トワイライト」シリーズファンの十代の子だと、ここまで分かりやすくしないと伝わらないのだろうか。

 それでも、性に活発なお嬢さんになった赤ずきんを、絶好調のアマンダ・セイフライドが演じているのには救われる。「ミーン・ガールズ」(04年)の頃が信じられない。基本的に意地悪顔なのに、それを忘れさせる柔らかさが出てきたのが気持ち良い。この映画は童話の世界というよりは残酷な現実性を意識していて、それに見合った邪悪さを時折ちらつかせるのも頼もしい。いちゃこき場面は若鮎のように瑞々しい。

 画面の色合いもなかなか楽しい。雪の白と土のコゲ茶色との対比から始まり、黄土色の干したワラの上に咲く花の青、そしてもちろん赤ずきんの赤と雪の白のコントラストへ。次々と目に焼き付く色のイメージが押し寄せる。特にやっぱり、赤と白の相性が素晴らしい。日の丸弁当に決して陥らないのは、周りに日本人がいないからか。セイフライドのブルーの瞳(とピンクの唇)がそこに加われば、それだけで素晴らしく絵になる。妖しい匂いも出てくる。ゾクッと震えるような風が吹く。ただ、どうやらこれはさほど意識的に演出されているわけではないようで、物語の中盤は意外に平坦な色合い。ここはもっと踏ん張るべきだろう。

 それにしても、細部には面白要素がてんこ盛り。やたら好戦的な神父(ゲイリー・オールドマンがお馴染みのキレ演技)が持ち込む、火炙りにも使える人を閉じ込めるための用具が、ゾウの形をしている衝撃。魔女の容疑をかけられた赤ずきんがかぶせられる鉄仮面が、スケバン刑事もビックリなお馬さんだという衝撃。そして狼が完璧にCGだったのは…「トワイライト」シリーズそのまんまでしかない衝撃。実は狼の正体はテイラー・ロートナーでした…というオチだったら良かったのに。





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