アウェイク

アウェイク “Awake”

監督:ジョビー・ハロルド

出演:ヘイデン・クリステンセン、ジェシカ・アルバ、テレンス・ハワード、
   レナ・オリン、クリストファー・マクドナルド、サム・ロバーズ、
   アーリス・ハワード、フィッシャー・スティーヴンス

評価:★★




 TVシリーズ「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」(05年~)の第6シーズンの中で、患者が手術中に意識を取り戻し、自分が腹を裂かれているところを目撃、激怒するエピソードがあった。麻酔を受けて手術する人が年間2,100万人いて、その内の3万人は手術が終わるまでに麻酔から覚めるというから恐ろしい。「グレイズ・アナトミー」もそれに乗っ取った話作りをしていたのだろう。『アウェイク』はこれをスリラーに取り入れ、娯楽作として魅せる作品。ただし、意図したようには真面目には捉えられない。珍作と呼ぶに相応しい。

 ヘイデン・クリステンセンは手術中、自分に意識があることに気づく。ただし、身体は麻酔のために全く動かない。何が起こっているのかちゃんと理解できるほどに意識があるのに、こんちくしょう。しかも、彼は医師たちの会話から自分が殺されようとしていることを知ってしまう。なんてこったい。映画は動きがある芸術だ。精神的な動きも重要だけれど、それ以上に肉体的な動きがあってこそのそれだ。すると主人公が動けないというこの設定は、致命的なミスなのではないか。主人公が全く肉体的に動かないままにエンディングを迎えてしまうのではないか。…とそんな心配をしていたら、オーノー、なんと!青年の身体がふたつに分離してしまうではないか。正確に言うなら、画面に青年がふたり現れるではないか。なんと彼、幽体離脱というヤツをしちゃったらしい。「ザ・たっち」かよ!

 かくしてクリステンセンは幽体離脱した状態で、真相の詳細を解き明かしていく。過去と現在を自在に行き来しながら、クリステンセンは必死の形相だ。でもね、アンタ間抜けですから!だってホレ、実体はないわけだから、いくら彼が大声で叫んでも全速力で走っても、事態は何も変わらないのだ。彼は目撃することしかできない。なんと虚しき主人公。うん、やっぱり珍作だ。

 …というわけでクリステンセンはお気の毒な映画なのだけど、ジェシカ・アルバのプロモーション映像としてはまずまずの出来映えだと思われる。アルバが演じるのは大企業の若社長(クリステンセン)と秘密の恋に胸を焦がす女。クリステンセンはアルバと冒頭からたっぷりいちゃこいていて、これがなかなか羨ましい。クリステンセンもアルバへの欲求をふたりだけのときは隠そうとしない。風呂に浸かっていたクリステンセンが、アルバを風呂の中に引きずり込む場面なんて、クリステンセンでかした!そのままにしていても愛らしいアルバなのだけど、彼女の小麦色の肌は水に濡れるとよりグッドに映えるのである。幽体離脱中にクリステンセンが思い出すアルバとの日々なんかも、思い出ゆえに完璧に美化されているものだから、アルバは大変綺麗に撮られている。後半に用意されているある展開も、なかなかよろしい。アルバ鑑賞としての役目はちゃんと果たしてくれる。

 クリステンセンの母を演じるレナ・オリンも印象的だ。正体は蜘蛛女だというのに、今回は母の狂気と愛の深さを、静かな語り口の中に忍ばせることに成功している。終幕には場をさらってしまうくらいに。この物語から得られる数少ない教訓は「ママの言うことは聞きましょう」ということだけれど、オリンはそれに説得力を与えた。与えられても、何がどうなるってワケでもないけど。





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