ローラーガールズ・ダイアリー

ローラーガールズ・ダイアリー “Whip It”

監督・出演:ドリュー・バリモア

出演:エレン・ペイジ、マルシア・ゲイ・ハーデン、クリステン・ウィグ、
   ジュリエット・ルイス、ジミー・ファロン、ダニエル・スターン、イヴ、
   アンドリュー・ウィルソン、アリア・ショウカット、ランドン・ピッグ

評価:★★★




 男には男の世界があるように、女には女の世界がある。義理人情に厚い男のそれと違って軽薄に描かれがちだけれど、これが初監督となるドリュー・バリモアは、自らのパーソナリティをそのまま映像化したような、溌剌としたガールズムービーに仕立て上げている。少女の成長物語として気分良く観られるのはもちろん、スポーツ映画の痛快さも具えている。チアリーダー映画「チアーズ!」(00年)に通じる楽しさが溢れる『ローラーガールズ・ダイアリー』である。

 少女が飛び込んでいくのはローラーゲームの世界だ。日本では全くメジャーではないけれど、単純で、でもロックな魅力が溢れるスポーツ。映画で取り上げられることも稀で、まず目のつけどころが面白い。傾斜のついたトラックをローラースケートを履いた選手たちが身体をぶつけ合いながら滑走するその様は、ほとんど格闘技の趣。この試合の数々が臨場感たっぷり…とまではいかないまでも、実にリリカルに撮り上げられていて、思わず見入る。「滑る」というアクションと映画の相性が良いのだろう。何と言うか、突き抜けていく快感のようなものが感じられるのだ。選手の年齢層が意外なほど幅広いのも、極力スタントを使わず女優たちが実際に滑っているのも愉快だ。

 ガールズムービーだからスポーツ一色にはならない。主人公には何でも話せる親友がいるし、バイト先の店長もイイヤツだ。母親はミスコンにハマり、父親はそれを大らかに見守っている(マルシア・ゲイ・ハーデンがさすがに巧く、ダニエル・スターンの変貌にビックリ)。意地悪なライヴァル(ジュリエット・ルイスがハマり過ぎ)と頼りになるチームメイトも刺激的。そして恋のお相手がいるのもお約束。彼らが奏でるドラマがイチイチツボを突いている。音楽もきっちりポイントが押さえられ、子どものときから映画に浸かっていたのが生きているのか、バリモアはどうすれば観客が気持ち良くなれるか、その生理を知り抜いている(或いは、感覚的に分かっている)。まるで女の子のパジャマパーティでも覗いているような。あまりにツボを上手に突いてくるのが、かえって不満に感じられるほどに。

 エレン・ペイジが「普通の女の子」を演じるのは、ひょっとしたらこれが初めてなのではないか。男のアレをちょん切ろうとしないし、妊娠もしていない。自分というものを見つけられないことに悩む、つまりはどこにでもいる普通の女の子。下手な女優では単なる平凡な女の子になってしまうだろうけれど、ペイジのニュアンス豊かな表情にはシニカルなユーモアが感じられ、奥行き深い人物像になっている。ストレートな物語をヴィヴィッドにサポートしていると言って良いだろう。

 思わず笑ってしまったのはラヴシーンだ。見詰め合うふたりが誰もいないプールいない飛び込み、水中で互いを求め合う。服を脱ぎ捨てて、下着姿で泳ぎながらキスを交わすのだ。水圧に負けず、浮力に負けず、身体を反りながら、あぁ、それでも求め合う気持ちは抑えられない。ロマンティック?いや、それよりもファイト一発、体力勝負のラヴシーンに思わず吹き出す。さすがローラーガールだ。





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