処刑教室

処刑教室 “Assassination of a High School President”

監督:ブレット・サイモン

出演:リース・ダニエル・トンプソン、ミーシャ・バートン、ブルース・ウィリス、
   マイケル・ラパポート、パトリック・テイラー、キャスリン・モリス、
   メロニー・ディアス、ジョシュ・パイス、ルーク・グライムス

評価:★★




 なんせブルース・ウィリスが校長を務める高校である。お行儀が良い勉強風景が見られるわけがないことは、アッという間に察しがつく。ウィリス校長は無表情のまま、目をぴくりとも動かさず、そして低い声で言い放つ。「学校でガムをかむのは不良の始まりだ」。おっと、この学校、やっぱりどこか狂っているぞ。

 校長の部屋からSAT(大学進学適正試験)の答案が盗まれる事件が発生、それを新聞部員の主人公が追いかける謎解き話になっていて、この軸となる部分はさほど面白くない。捻りを効かせているように見せかけてはいるものの、終わってみれば底の浅い、やっぱり高校生はその程度かと言いたくなる真相。第一容疑者である生徒会長がすんなり真相を話していればそれで終わった話だ。取材力だとか観察力だとか洞察力だとかを際立たせる術は全くなかったようで、少年探偵が頑張ってまーすみたいな、微笑ましさばかりが目につく。狙っているところもあるだろうけれど、それが生温さに繋がっているのは拙い。

 『処刑教室』でそれよりも見どころになっているのは、調査過程で見えてくる、学園の無秩序ぶりだ。ウィリス校長の下、規律に厳しいはずの学校生活なのに、その裏側は荒廃がとことん進んでいることが、ブラック・テイストが適度に塗されながら炙り出されていく。偽善が普通にまかり通っている、偽りの楽園。優等生のはずの生徒会と落ちこぼれている不良グループの対比が、記号的に単純化されているとは言え、なかなか面白い感触を具えている。そしてここで描かれる実態というものは、現実社会を実は非常に鋭く映し出しているのだと思う。

 ところで、この映画に限ったことではないけれど、あちらの学生は本当に老けている。演じている役者が実年齢よりも上の者が多いということもあるだろうけれど、それにしても、何食ったらそんなにオッサン化が進むんだと聞きたくなるむさくるしいヤツばかりで、彼らが「学生」をアピールする度に落ち着かない気分になる。

 そんな中、主人公を演じるリース・ダニエル・トンプソンはビリー・ボイドを少年風にした印象。イモムシのように動く眉毛とシニカルな口元がユーモアを湛えていて悪くない。きっと数年後には、彼もまた急激なオッサン化を遂げるのかもしれない。人生に一時にしか輝かない少年性を目一杯引き出している。

 それに比べるとミーシャ・バートンは、既に少女性を失ってしまったように思える。髪がブルネットということもあるのだろうか、無理に大人を意識した外見作りなのがマイナスに働いたか。瑞々しさが消え失せ、中途半端に肉付きが良くなった。ファムファタール的要素もある役柄なのに、やけに野暮ったい。大人の女優への脱皮は難しいだろう。バートンのピークはあまりに早過ぎた。「キャメロット・ガーデンの少女」(97年)が懐かしい。





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