AVA エヴァ

AVA エヴァ “Ava”

監督:テイト・テイラー

出演:ジェシカ・チャステイン、コモン、ジョン・マルコヴィッチ、
   コリン・ファレル、ジェス・ワイクスラー、ジーナ・デイヴィス、
   ヨアン・グリフィズ、ジョアン・チェン

評価:★★




 考えるべきは、ヒロイン、エヴァ・フォークナーが何故魅力的に見えないのか、という点だ。演じるジェシカ・チャステインの冷たい美貌は暗殺者にピッタリだし、顔が血だらけになってもそれすら絵になる。チャステインは身体だって役柄に合わせて鍛えているようだ。それにも拘らず、エヴァはずっと見ていたいと思わせるものがない。

 最大の不幸は『AVA エヴァ』とテイト・テイラー監督の相性の悪さではないか。この手のジャンル映画は物語を展開させる大きな陰謀が用意されるものだけれど、ここにはそれが見当たらない。暗殺者が主人公ならその世界のルールを破壊する巨悪があっても良いし、政府のような正義の立場にある機関の腐敗を炙り出しても良い。テイラーはそれを追いかける代わりに、何を血迷ったか、エヴァの生き方に興味を抱く。

 エヴァは「仕事」の際、死に際のターゲットに向かって何の理由で命を狙われるのか、尋ねる。それが上の人間の逆鱗に触れ、今度はエヴァ自身が命を狙われる。テイラーはエヴァが襲い来る敵をかわしていく過程で、その人となりを描き出していく。それが「仕事」に繋がるなら、まだ良い。全く関係のない家族問題に踏み込むから頓珍漢な事態になる。

 エヴァの妹はエヴァの元恋人と付き合っている。入院中の母との折り合いもよろしくない。直属の上司ともぎくしゃくした関係だ。エヴァ自身はと言うと、アルコール依存問題を抱えていて、律儀に依存症の会に参加。ホテルのミニバーの前で飲むべきか飲まぬべきかとシェイクスピアごっこに忙しい。それだから中盤の見せ場が、エヴァが絡まない、上司と一番弟子の戦いになる。エヴァが元恋人のギャンブル現場に乗り込むあたりも意味が分からない。ナニソレ。カンケイナイダロ。

 テイラーにアクション演出の才能がないのがとどめを刺す。カメラを揺さぶることで気分を出す、アクションの才能がない監督が頼りがちな演出に終始、銃に寄り掛かった殺害方法ばかりなのも興を削ぐ。それだからエヴァには自身のスタイルというものがない。銃の腕が的確でも、腕力があっても、勘が極めて冴えていても、そこいらの女アサシンとの差別化は難しい。

 エヴァンの母役にジーナ・デイヴィスを配しながら完全に無駄遣いされるのに驚く。かつてアクション女優として鳴らしたデイヴィスを担ぎ出したのは、チャステインへ、新時代のアクション女優としてのリレーの意味合いがあるのだろう。そう踏んだのに、ベッドに横になっているだけだなんてどういうつもりか。最強の悪役として起用するのが正解というものだ。関係ないけれど、久々に見たデイヴィスは、皺はなくても弛みはあり、何だかエレン・バースティン風の喋り方になっていた。





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