パーム・スプリングス

パーム・スプリングス “Palm Springs”

監督:マックス・バーバコウ

出演:アンディ・サムバーグ、クリスティン・ミリオティ、
   ピーター・ギャラガー、J・K・シモンズ、メレディス・ハグナー、
   カミラ・メンデス、タイラー・ホークリン

評価:★★★




 朝ベッドの上で目覚めると同じ日が始まる。精神的な意味ではなく、本当に同じ日。所謂タイムループ映画の大抵がコメディなのは、状況を面白可笑しく弄りやすいからだろう。『パーム・スプリングス』も例に漏れず、男と女が何度も同じ日を繰り返す。

 自分の行動によって、ルーティーンに縛られた一日はいくらでも変化をつけることができる。このジャンルは取っ掛かりこそ同じでも、画に変化をつけられないわけではない。アンディ・サムバーグとクリスティン・ミリオティは退屈な結婚式が行われるその日に、何度も冒険を繰り返す。

 ポイントはループにハマるのがひとりではないことだろう。時間は巻き戻っても記憶は積み重ねられていく。すると互いへの思いに変化が出てくる。一緒にいる時間が長ければ長いほど、互いを知れば知るほど、ハートはずっと同じではいられない。サムバーグとミリオティは恋に落ちる。

 サムバーグの人の好い顔と身体つきは相変わらず見る者を幸せな気分にする。ミリオティはぎょろ目のせいか、最初はとっつき難いのだけれど、サムバーグとの掛け合いの中に人間らしさを滲ませていき、ちゃんと魅力が伝わる仕掛け。

 このジャンルの欠点は、そうは言っても、同じ日の繰り返しが次第にくどく感じられるようになるところだろう。確かに行動は違う。別の場所に出かける。セリフも一緒ではない。けれど、それがどーした、という気もする。結局は同じ時間をやり過ごしているだけではないか。マックス・バーバコウ監督はしかし、ここで焦って世界観を壊すことをしなかった。くどくなることを承知の上で、繰り返しの毎日を凝視し、主役ふたりの間にロマンスを咲かせ、そして互いに相手に対してうんざりしているというセリフを吐かせる。その上で寄り添い合う意義を語る。

 ファンタジーの世界、突如現れる謎の殺し屋が可笑しい。J・K・シモンズが演じる彼は、サムバーグの命を狙う。初登場場面など、サムバーグの身体に矢が突き刺さる。一見受け狙いの非現実的キャラクターなのだけど、彼にもまたちゃんと血が通い始める。やはり繰り返しの退屈に目を背けなかったからだ。このジャンルは魅せる側にも粘りが必要なのかもしれない。





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