バッド・スパイ

バッド・スパイ “The Spy Who Dumped Me”

監督:スザンナ・フォーゲル

出演:ミラ・クニス、ケイト・マッキノン、ジャスティン・セロー、
   サム・ヒューアン、ジリアン・アンダーソン、ハサン・ミナジ、
   イヴァンナ・ザクノ、フレッド・メラメッド

評価:★★★




 リトアニア、いきなり結構シリアスなアクションが展開されるのに驚く。その中心にいるジャスティン・セローはジェイソン・ボーンにでもなったつもりか、身体を酷使したそれに身を投じる。これを本格的だと評価することも可能だけれど、うーん、いや、コメディ的側面が強調されるべきこの映画においては歓迎したくない気分だ。せめてもっとユーモアを!

 予想以上に血生臭くなってしまったからだ。スパイ物ゆえに必然…というわけには行かない。人がバタバタ命を落とし、その度に画が停滞する。うっかり笑ってしまった指入りルージュに免じて目を瞑りたくもなるものの、一般人にも大いに迷惑をかけるのを長々見せられると、もっと気楽にスパイ映画で遊べば良いのにと思ってしまう。

 筋は気にしなくて良い。自分を振ったばかりの男がスパイだったことから、親友と共に事件に巻き込まれる女の物語。一応二転三転する仕掛けは施してあるものの、別に感心するほどじゃない。ウィーン、プラハ、パリ、ブダペスト、アムステルダム、ベルリン…と次々場所を移動するのは観光映画のつもりか、けれどその場所でなければならない理由はどこにも見当たらない。

 …なんて文句を言いながらもそこそこ楽しいのは、バディ映画としてはちゃんと機能しているからだ。ミラ・クニスとケイト・マッキノンがタッグを組んで、あるUSBを狙う組織に立ち向かう。おそらく#MeTooを意識している(もちろん支持したい。真面目過ぎる#MeTooばかりじゃ退屈だもの)。敵側のクセモノ(体操女が最高に可笑しい)やスパイ組織のボスが女で統一され、これまで男たちが担ってきたアクション映画の役割をこなしていく。サム・ヒューアンというハンサム男が出てくるものの、あくまで彼は女たちのサポートだ。

 何よりなのはクニスとマッキノンが楽しそうに走り回っていることで、最初は置かれた状況を突破していくのに必死になるばかりだったふたりが、次第にスパイらしく変身していくのはこれぞハリウッド映画。女の友情もベタベタさせることなく、気持良く見せていく。

 特にマッキノン(と役柄)が相変わらずの可笑しさだ。下ネタに臆することなく、むしろ自ら進んで塗れに行く(するとクニスも下ネタを当然のこととして受け入れる)。役柄の名前がモーガン・フリーマンなのも気が利いている。いちばんのギャグは元恋人がエドワード・スノーデンという設定で、単なる小話かと思いきや、中盤ちゃんと物語に絡んでくるのに大笑い。他愛ない話でも笑みがこぼれるのは、細部の弄り方が楽しいことも大きいのだ。





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