フェアリー・ゴッドマザー

フェアリー・ゴッドマザー “Godmothered”

監督:シャロン・マグワイア

出演:アイラ・フィッシャー、ジリアン・ベル、サンティアゴ・カブレラ、
   メアリー・エリザベス・エリス、ジューン・スキッブ

評価:★★




 サンタクロースの世界が近代化が進むのと同様、妖精の世界も時代の変化に対応しなければならないようだ。ハッピーエンドを信じない人間たちばかりの現代、ヒロインのエレノアが、フェアリー・ゴッドマザーになる夢を叶えるべく、人間界にやってくる。ディズニー映画はサンタを「ノエル」(19年)で取り上げたばかりだけれど、今度は『フェアリー・ゴッドマザー』なる、その妖精版を作ったというわけだ。

 そう、人間界へ妖精エレノアがやってくる。エレノアを演じるジリアン・ベルは全身からハッピーオーラを発散、人間界にちっとも馴染まないのが素晴らしい。願い事を叶える相手であるアイラ・フィッシャーの下、素っ頓狂な言動と奇を衒わない魔法で混乱を呼び寄せる。妖精だけれど、日本人の目には出来の悪いドラえもんに見えなくもない。

 ノリとしては、「どじっ子妖精エレノアの張り切り日記」ってとこか。寝袋型コートで動けなくなるフィッシャー。眉毛が太くなりシャーリー・ヘンダーソン化するフィッシャー。家がメルヘン中世風になるフィッシャー。飼い犬がブタになるフィッシャー。家がアライグマにお掃除されるフィッシャー。主に犠牲になるのはフィッシャー。いや、犠牲じゃないか。結構楽しいかもね。…ってところが、なるほどディズニー。

 ヴィジュアル作りはもうちょっと頑張っても良い。特にベルの衣装。人間界に降り立ってから、ピンクのドレスとネルチェックの羽織りで通してしまうのはどういうつもりか。妖精はピンクという概念が退屈だし、せっかく魔法があるのだからもっと色やデザインで遊べば良いのに。何ならフィッシャーやその周辺人物を巻き込んでも良い。

 でもまあ、ディズニー映画らしく手堅くまとめてはいる。クライマックス、フィッシャーの娘の合唱発表会を通して「本当の魔法」や「妖精がかける魔法の意義」を問い掛けるあたりは、分かっていても気持ち良い展開。人間の善なる部分や辛いことも多い人生を肯定したくなる。けれど、本当に褒めるべきは、その先にある。

 この映画のいちばんのテーマは、ハッピーエンドとは何か、ということだ。大抵の映画は、とりわけディズニー映画は、男と女が結ばれてめでたしめでたしで終わるものだけれど、そんなのは固定概念の植えつけに過ぎない。今の時代、いや本当は昔から、ハッピーの形は人それぞれで、だからこそ人生は愉快で楽しく、捨てたものではないのだと宣言する。ディズニーも変わりつつあることをちょっとだけ感じる映画だ。





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