ノエル

ノエル “Noelle”

監督:マーク・ローレンス

出演:アンナ・ケンドリック、ビル・ヘイダー、キングズリー・ベン=アディル、
   シャーリー・マクレーン、ジュリー・ハガティ、ビリー・アイクナー、
   メイシオ・スメドリー、ダイアナ・マリア・リーヴァ

評価:★★




 ほんまもんのサンタクロースが出てくる映画は大きく分けて2パターンある。ひとつは昔ながらの伝統的・民話的世界観を大切にしたもの。もうひとつはそれを現代的にアップデートしたものだ(漏れなく喜劇になる)。現在幅を利かせているのは断然後者。北極の住人たちが現代アメリカに迷い込み、アレコレ頭を悩ませる。そして『ノエル』もまた、そちらに属する。

 2000年続くサンタクロースの家系。おもちゃ工場。良い子悪い子リスト。ゴスペル隊によるクリスマスソング。ダッシャーを始めとするトナカイたち。赤と緑の氾濫。クリスマス映画の基本を押さえた上で描かれる物語の軸に置かれるのは、サンタクロースになる自信がない兄の失踪。彼はフェニックスでヨガにハマる。主人公であるその妹は彼を私立探偵と一緒に探すことに。多分クリスマススピリットが傍らにいる国の人は、サンタクロースが自分たちの街に現れるだけで何か感じるものがあるに違いない。

 もちろんメッセージは健全だ。兄探しの冒険は、本物のクリスマススピリットを知るそれに変換される。クリスマスはプレゼントを贈り合うだけの日ではない。愛する人同士がを互いを想い合う日だ。どれだけ現代的アレンジがされようと、それだけは譲れない。クリスマスとはそういうもの、暗黙の了解があるらしい。

 ヒロインがまた、自分の可能性を知るというのも、重要なポイントだ。兄がサンタクロースを継ぐことを当たり前のことだと思っていた彼女が、自分には兄以上のサンタクロースの資質があることを知る。人の心根の優しさをすくい上げる才能、彼女がそれを開花させていく様は、やはりまたクリスマススピリットへと繋がっていく。

 笑わせ方はワンパターンだ。サンタクロースの価値観と地上の人間の価値観、そのギャップで笑わせる。そんなとき、アンナ・ケンドリックのきょとん顔は有効だ。クリスマス仕様の衣装を可愛らしく着こなしながら、嫌味のない恍け顔を連発する。それに較べると兄役のビル・ヘイダーは、サンタクロースよりもグリンチ役の方が似合いそうな気配あり。

 …というわけで、きちんとまとめられている映画ではあるものの、その破綻のなさがかえってつまらなく思えるのは、ディズニー映画の限界だろうか。優しさが溢れ、クリスマススピリットは暖かく、安心して子どもに見せられる。けれど、それゆえに心にフックしない。世間の荒波に揉まれる大半の大人の辛いところ。さらりと観ることができて、でも後には大して残るものはない。要するに、害のない子ども向け映画に留まる。





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