アルテミスと妖精の身代金
アルテミスと妖精の身代金 “Artemis Fowl”
監督:ケネス・ブラナー
出演:フェルディア・ショー、ララ・マクドネル、ノンソー・アノジー、
タマラ・スマート、ジュディ・デンチ、ジョシュ・ギャッド、
コリン・ファレル、ホン・チャウ、ミランダ・レイソン
評価:★
アイルランドが舞台のSFとのことで身を乗り出した『アルテミスと妖精の身代金』で何が驚くって、オリジナルと言えるものがただのひとつも見当たらないことに驚く。隅から隅までどこかで見たヴィジュアルで占められるのだ。妖精(エルフ)が存在する世界、誘拐された父親を助けるべくその息子が戦いに挑むという捻りのない物語なのだから、せめて画面作りはもっと気合い入れんかい。
監督:ケネス・ブラナー
出演:フェルディア・ショー、ララ・マクドネル、ノンソー・アノジー、
タマラ・スマート、ジュディ・デンチ、ジョシュ・ギャッド、
コリン・ファレル、ホン・チャウ、ミランダ・レイソン
評価:★
アイルランドが舞台のSFとのことで身を乗り出した『アルテミスと妖精の身代金』で何が驚くって、オリジナルと言えるものがただのひとつも見当たらないことに驚く。隅から隅までどこかで見たヴィジュアルで占められるのだ。妖精(エルフ)が存在する世界、誘拐された父親を助けるべくその息子が戦いに挑むという捻りのない物語なのだから、せめて画面作りはもっと気合い入れんかい。
オリジナルじゃない、つまりバッタモン色が強い。バッタモンはバッタモンなりの面白さがあるものだけれど、ここにはそれすら見当たらない。場面毎にこれはあの映画、あれはどの映画だとネタ元(いや、盗作とは言っていない)を当てては喜ぶぐらいしか、面白ポイントがないのだった。ちなみに…。
少年が魔法が存在する世界に飛び込む話のノリは「ハリー・ポッターと賢者の石」(01年)。少年がサングラスとスーツを装着、相棒と共にガジェットで立ち向かうあたりは「メン・イン・ブラック」(97年)。少年が罠たっぷりの屋敷で妖精軍団をぶちのめすのは「ホーム・アローン」(90年)。スローモーションとクイックモーションを組み合わせたアクションは「キングスマン」(14年)。ハイテク機器飛び交う妖精の国の風景は「スター・ウォーズ」(77年)…。他にもいちいちバッタモン色強いので探してみよう。
主人公少年に可愛げが全くない。優秀な頭脳の持ち主で、周りの人間をバカにしているという設定で、それならばその彼が人間的に成長していくという展開があってしかるべきなのに、クールを崩さないヤツは、妖精を目撃しても驚かず、屋敷が破壊されても飄々、可愛い女の子を前にしてもちっとも舞い上がらない。しかも金持ちのボンボンなのだから、ほとんど嫌味じゃなかろうか。ただのクソ生意気なガキ。
しかもコヤツ、ちっとも身体を張らない。せいぜい10歳前後だろうに、住んでいる大邸宅から一歩も外に出ることなく、悪者どもとも戦うのだ。呆れかえるのは誘拐された父親を救出する件だ。ここだけは絶対に命を賭したアクションを見せるべきなのに、まさか魔法アイテムの力を借りて、全く苦労しないとは…。父親のコリン・ファレル、息子に助けられて喜んでる場合じゃないよ。アンタの子育て、大失敗だよ。
唯一見所がある。身体が小さくなりたいドワーフを演じるジョシュ・ギャッド…は面白いのは設定だけなので見所とは呼べない。最初から最後まで突っ込み所満載なのは妖精のボスを演じるジュディ・デンチ先生だ。妖精のイメージカラー、グリーンに身を包んだデンチ先生は、その体格もありほとんどカエルの女王。尖った耳で声をやたら低くして部下たちに大真面目に語り掛ける様が、あぁ、「キャッツ」(19年)の化け猫と肩を並べるインパクトだ。…って、あ、これは見所とは言わないのか。どっちでもいいか。どうなんだ。

少年が魔法が存在する世界に飛び込む話のノリは「ハリー・ポッターと賢者の石」(01年)。少年がサングラスとスーツを装着、相棒と共にガジェットで立ち向かうあたりは「メン・イン・ブラック」(97年)。少年が罠たっぷりの屋敷で妖精軍団をぶちのめすのは「ホーム・アローン」(90年)。スローモーションとクイックモーションを組み合わせたアクションは「キングスマン」(14年)。ハイテク機器飛び交う妖精の国の風景は「スター・ウォーズ」(77年)…。他にもいちいちバッタモン色強いので探してみよう。
主人公少年に可愛げが全くない。優秀な頭脳の持ち主で、周りの人間をバカにしているという設定で、それならばその彼が人間的に成長していくという展開があってしかるべきなのに、クールを崩さないヤツは、妖精を目撃しても驚かず、屋敷が破壊されても飄々、可愛い女の子を前にしてもちっとも舞い上がらない。しかも金持ちのボンボンなのだから、ほとんど嫌味じゃなかろうか。ただのクソ生意気なガキ。
しかもコヤツ、ちっとも身体を張らない。せいぜい10歳前後だろうに、住んでいる大邸宅から一歩も外に出ることなく、悪者どもとも戦うのだ。呆れかえるのは誘拐された父親を救出する件だ。ここだけは絶対に命を賭したアクションを見せるべきなのに、まさか魔法アイテムの力を借りて、全く苦労しないとは…。父親のコリン・ファレル、息子に助けられて喜んでる場合じゃないよ。アンタの子育て、大失敗だよ。
唯一見所がある。身体が小さくなりたいドワーフを演じるジョシュ・ギャッド…は面白いのは設定だけなので見所とは呼べない。最初から最後まで突っ込み所満載なのは妖精のボスを演じるジュディ・デンチ先生だ。妖精のイメージカラー、グリーンに身を包んだデンチ先生は、その体格もありほとんどカエルの女王。尖った耳で声をやたら低くして部下たちに大真面目に語り掛ける様が、あぁ、「キャッツ」(19年)の化け猫と肩を並べるインパクトだ。…って、あ、これは見所とは言わないのか。どっちでもいいか。どうなんだ。
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