明日への地図を探して

明日への地図を探して “The Map of Tiny Perfect Things”

監督:イアン・サミュエルズ

出演:キャスリン・ニュートン、カイル・アレン、ジャーメイン・ハリス、
   アンナ・ミカミ、ジョシュ・ハミルトン、クレオ・フレイザー、
   ジョージャ・フォックス、アル・マドリガル

評価:★★★




 高校生と思しき少年の朝から始まる。彼の動きが美しく愉快だ。全てを先回りするかのように行動に無駄がなく、周囲の人間の言動もさり気なくサポート、幸運にも恵まれて、学校に着くまでほとんど「ひとりミュージカル」の趣。芸術的と言って良いそのリズムを長回しで撮る痛快なオープニングだ。

 実は彼、無限ループにハマっている。同じ日を毎日繰り返し、だからどこで何が起きるのか熟知しているというわけ。「恋はデジャ・ブ」(93年)と同じ設定だ。楽しそうに見えた少年の動きはしかし、結局いつも同じでは飽きるし、寂しい。その裏には孤独の影が忍び寄る。さて、どうなるか…というのが『明日への地図を探して』だ。

 突破口として用意されたのが、同じ無限ループにハマる少女との出会いというのが、ティーン映画らしい初々しさ。恋が始まってしまえば、同じ毎日でも何か別の輝きが見えてくるだろう。この際、ロマンティック・コメディの基本をちゃんと押さえているのが良い。女が男を振り回し、男が女を追いかけるという構図。逆じゃ話に湿り気が出て、その速度が鈍るものなのだ。

 少年を演じるカイル・アレン、どこか映画界に現れた頃のヒース・レジャーを思わせるのがドキリとする(アーロン・エッカートにも似ている)。子犬みたいに強気になったり弱気になったり、なかなか可愛らしい。少女に扮するのはキャスリン・ニュートン。女子高生にしては少々マイリー・サイラス的ケバさが気になるかな…と思ったのは最初だけ。強気の態度の裏に、傷ついた心を感じさせて悪くない。もちろんアレンとニュートンの相性は良い。

 出会ったふたりが、何度も見てきただろう町の一日の中で「奇跡を集める」という展開が…あぁ、若いって素晴らしいと思わずにはいられない。道路を渡るカメ。トランプで買って踊り出すおばあちゃん。美しい模様を作る池に浮かぶ落ち葉。ピアノの上手い清掃員。目を凝らせば、世界はまだまだこんなにも美しく、新しい発見がある。

 それでもいつまでも無限ループの中に留まるのは不幸には違いない。少年と少女も「脱出」を試みる。この際、鍵を握るのが、18時になると消える少女の秘密なのだけど、このあたりは物語に余計な水分を持ち込んでしまった印象。青春の匂いも希薄になる。ふたりが見つける「脱出」法も、精神論的な部分を前面に押し出して誤魔化したみたい。ちょっと「ハート」を乱用した感あり、だ。





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