ヒュービーのハロウィーン

ヒュービーのハロウィーン “Hubie Halloween”

監督:スティーヴン・ブリル

出演:アダム・サンドラー、ケヴィン・ジェームズ、ジュリー・ボーウェン、
   レイ・リオッタ、ロブ・シュナイダー、スティーヴ・ブシェーミ、
   ジューン・スキッブ、キーナン・トンプソン、シャキール・オニール、
   マヤ・ルドルフ、ティム・メドウス、マイケル・チクリス、
   カラン・ブラル、ノア・シュナップ、パリス・べレルス、
   セイディ・サンドラー、サニー・サンドラー、ベン・スティラー

評価:★★




 果たして作中、アダム・サンドラーは一体何回絶叫しただろうか。サンドラー扮する主人公ヒュービー・デュボワは、大のハロウィン好きでありながら、大の臆病でもあるのだ。…と書けば察しがつくはず。『ヒュービーのハロウィーン』の笑い所は、サンドラーの驚きっぷり、ビビりっぷりにあるのだった。いかにもサンドラー映画だ。「アンカット・ダイヤモンド」(19年)からは大きくかけ離れる。

 話の外観はそれこそ「ハロウィン」風だ。冒頭精神病院から患者が脱走、街では住人が次々消えていく。ただし、それだけに留まらない。細部には往年のホラー映画への目配せが散りばめられ、楽しくハロウィンを祝おうという気配が充満する。最も同じ匂いを感じるのは「スクリーム」(96年)だ。街を巻き込んでの大騒動。呑気な空気には80年代の大らかさあり、だ。

 当然のことながら、本格的なミステリーやホラーを期待すると裏切られるだろう。サンドラーが描きたかったのは、ヒュービーを大した理由もなく毛嫌いする嫌な奴が住人の9割を占めるだろう街で、彼がいかにして状況を打破していくのか、という点に違いないからだ。罵られ続けるヒュービーが繰り出す技は、ユーモアと親切心だ。サンドラーの心根の優しさが分かるというもの。尤も、これが幼稚に映るのはいつものサンドラー映画通りだったりする。

 サンドラーはいじめという陰惨なものにも敏感になる。住人を消していく真犯人の叫びは、実のところ、他のどのキャラクターよりも胸を打つ。そしてそれが際立つのは、いつもヒュービーが日々絶叫を続けながらも、決して笑顔を絶やさないからだ。ある場面のヒュービーは驚いたとき、「ママ、助けて!」と口に出す。子どもっぽい笑いだけだと斬り捨てられないものがある。

 コメディ寄りとは言え、もう少し恐怖演出は頑張っても良かった。人々が暗闇に引きずり込まれていくだけでは、学芸会レヴェルと言われても仕方ない。これは「見せない」演出では断じてない。ホラー映画の醍醐味はターゲットの死に様にもあるのだから。狼男ネタを絡めたエピソードもオチが見え見えと言える。それに乗れるほど、話と演出に吸引力はない。

 ところで今回のサンドラー、役作りでとてもヘンテコな喋り方をしている。顎をしゃくれさせて、口を極力動かさないまま、マーロン・ブランド風の喋りで通すのだ。何か意味があるのだろうか。それと、サンドラーとジュリー・ボーウェンの「キス」シーンは近年稀に見る気持ち悪いそれだったことを付け加えておく。





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