レイトナイト 私の素敵なボス

レイトナイト 私の素敵なボス “Late Night”

監督:ニーシャ・ガナトラ

出演:エマ・トンプソン、ミンディ・カリング、ヒュー・ダンシー、
   ジョン・リスゴー、リード・スコット、マックス・カセラ、
   デニス・オヘア、エイミー・ライアン、ポール・ウォルター・ハウザー、
   アイク・バリンホルツ、セス・マイヤーズ、ビル・マー

評価:★★




 演技力抜群でも色気に乏しく分別臭いエマ・トンプソンを好きになるとき。それは各授賞式でプレゼンターを務めるときと映画で気に喰わないキャラクターを演じるときだ。『レイトナイト 私の素敵なボス』でトンプソンが演じるのは、長年トークショーのホストを務めながら、実は人嫌いのパワハラ女だ。ハマり役だと、観ないうちから分かる。

 実際、権力をフル稼働させて部下を委縮させていくあたりのトンプソンの立ち居振る舞いは見事だ。冷徹なアクションの数々に爽快感を宿らせてしまうくらいに。「プラダを着た悪魔」(06年)のメリル・ストリープを思わせるところ多々。ただし、ブロンドのヴェリーショートで役を作り込んでいるあたり、実際意識しているのはエレン・デジェネレスだろう。尤も、ホストとしての軽快感に関して言えば、下半身が重たいトンプソンは、デジェネレスに寄せることができない。

 物語はその「プラダを着た悪魔」のTVショー版といった趣。新人ライターのミンディ・カリングがトンプソンのショーのそれに潜り込み、苦労しながらもサクセスの道を歩み始めるお仕事ムービー。最初から才能があるという設定だから、トンプソンと共に快進撃の波に乗るまでアッという間。そして認めなければならない。人が成功していく様を眺めるのは楽しいものだ。

 #TimesUp時代らしく、サクセスストーリーに、男だらけのトークショーの問題点が次々浮上するのが、売りになるだろうか。頭が筋肉できている男たちの差別的思考の数々がカリングを苦しめる。トンプソンはもちろん、男側の人間だ。カリングはインド系で女。多様性枠で採用されたと揶揄されながら奮闘する。理想主義者らしい挫折からの復活が分かりやすい。本物のインテリはこれを話の裏側に忍ばせて語るものだけれど、ここでのカリングは己を否定されると、便所や机の下で泣いちゃう。これくらい分かりやすくないと、ダメなのがハリウッドということか。

 そのカリング、実は脚本や製作も担当している。これまででいちばんの大役と言って良いだろう。快感のツボを知るカリングはしかし、結局トンプソンに気を遣い過ぎた。どちらかと言うと、カリングの役どころが主役なのに、どんどんトンプソンの役割が大きくなり、冷徹ホストが己の弱さを認め、心を入れ替え、奇跡の大逆転を果たす話と化す。カリング演じる新人もまた夢を叶えるように見え、実は彼女に利用されるに過ぎない。

 それにしても、クライマックスで起こる事件がトンプソンの不倫暴露というのは、さすがにチープが過ぎる。この際、トンプソンが思いの外、傷つくのがポイント。彼女も人の子、間違いも犯すし、弱さも持っていると、突如人間味をアピールするのだ。この際、トンプソンと夫役ジョン・リスゴーのラヴシーンがハグ止まりで本当に良かった。ちなみにカリング絡みのロマンスパートも用意される。捻りがある。でもだからどーした、としか言いようがない。カリング、別に全然気にしてる様子がないしな。





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