ストックホルム・ケース

ストックホルム・ケース “Stockholm”

監督:ロバート・バドロー

出演:イーサン・ホーク、ノオミ・ラパス、マーク・ストロング、
   クリストファー・ハイアーダール、ベア・サントス、
   マーク・レンドール、イアン・マシューズ

評価:★★




 映画ファンには「ストックホルム症候群」はお馴染みだろう。犯人と被害者(多くは人質)の間に特別な感情が生まれること。感情とは共感や好意だ。「異常な状況下で生まれた愛は長続きしない」…なんて名ゼリフもあったけれど、ふむ、非日常下では人の身体や脳はおかしな動きを見せるのかもしれない。

 …というわけで『ストックホルム・ケース』、ストックホルム症候群という言葉を生んだ実際の事件を基にするということで、どんな異様な世界が広がるのかと期待したものの、案外こじんまりした事件でしかなく、大いに拍子抜けだ。けれど…そのこじんまり感が、この際悪くない。作り手もスケール不足を承知の上で事件に向き合う。

 1973年ストックホルム、冴えない男がアメリカ人の扮装をした上で銀行強盗を働く。そこで出会った女銀行員=人質との間に同志的感情や恋愛感情が芽生えて…と予測できる展開をほとんどマヌケな気配最優先で描き出す。イーサン・ホーク演じる犯人の小物っぷりにぴったり寄せた感。

 しょぼくれた男を演じると、最近のホークは今は亡き大泉滉を思わせるところがあるのだけれど、今回も雰囲気は通じるものがある。大した作戦もないし、機転も働かない。けれど自分なりに一生懸命で、強盗犯なのに「しっかりやれよ!」と声をかけたくなる気配。人質のノオミ・ラパスはそんなところに惹かれたか。ラパスはどういうわけか、虐げられる役どころが似合う人。ぴったりの配役と言える。

 刑務所から仲間を釈放させる交渉こそ成功すれど、結局は頓珍漢な顛末を迎える事件。銀行の一室に閉じ込められる件には、思わず吹き出す。コメディにできる題材なのに、大いに真面目に撮っているのが良い。やる気と結果のズレが大き過ぎる。ホークが醸し出すどうしようもない空気が愛しくなる。

 ただ…ホーク、いくら何でも大声で騒ぎ過ぎだ。ちょっと予定外なことが起こると、人質よりも煩くギャアギャア喚く。弱い犬程良く吠えるというけれど、まさにそんな感じだ。ホークとマーク・ストロング(釈放される仲間役)との喧嘩。ホークとラパスのキス。ちょっと飼い主気分で見てしまった。





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