ストレイ・ドッグ

ストレイ・ドッグ “Destroyer”

監督:カリン・クサマ

出演:ニコール・キッドマン、トビー・ケベル、
   タチアナ・マスラニー、セバスチャン・スタン、
   スクート・マクネイリー、ブラッドリー・ウィットフォード

評価:★★




 一瞬これはすっぴんなのではないかと思ったものの、回想場面ではちゃんといつも通りの容姿で出てくるので、メイキャップの力を借りたニコール・キッドマン、やっぱり役作りでみすぼらしくなっているのだ。顔に広がるしみ、しわ、たるみ。目の下のくま。下がった目尻。虚ろな瞳。声も潰しているのではないか。

 …というわけで大変な気合いを入れたキッドマンなのだけど、捜査官役がまるで板につかない。長身が過ぎるのがイケないのか、革ジャンとジーンズの組み合わせが似合わず、身体の動きも捜査官のそれではない。特に走り方は大減点。アンタ、絶対徒競走で一着になったことないでしょう?長いキャリア、そう言えばキッドマンの刑事役、捜査官役は全然思い出せない。

 『ストレイ・ドッグ』はある遺体が発見されたことをきっかけに、キッドマン捜査官が過去と向き合うことになる物語。キッドマンはあの顔、あのスタイルで大いにやさぐれ度をアピールしつつ、一枚の紙幣片手に捜査に当たる。これが…「陰気」を「格好良い」と言い包める、あまりにも強引な作法で演出されるのに驚愕。キッドマンが動く度、画面が憂鬱色に染まる。憂鬱は観る者に伝染するから困りもの。

 ゆえに、度々挿入される回想場面にホッとする。冷静に考えれば、回想は話の腰を折るだけなのに、それでもあのキッドマンを眺めるよりマシ。回想の中で17年前に戻ったキッドマンは…でももう少し溌剌としても良いんじゃないか?陰気な性格、陰気なオーラは元々の性格だったのか?

 腰を折ると言えば、キッドマンは捜査に集中することなく、疎遠な元夫や毛嫌いされている娘の元へ赴く。そして強気な捜査とは別の表情を見せる。冷たくされたキッドマンはますます荒れるわけだけれど、そりゃそうなるでしょうよとしか言いようがない。キッドマンの真の姿が見えてきても、その印象は変わらない。自業自得というやつじゃないの。

 さて、映画には大きな捻りがある。ある場面の本当の意味が明らかになり、物語全体がまるで別の物語として浮かび上がるのだ。なるほど…作り手はきっとこれがやりたかったのだ。ハードボイルドな気配を意識した空間の中、ひとりの女のそうすることしかできない生き方を愛でたかったのだ。気持ちは分かる。分かるけれど、あぁ結局、後に残るのは憂鬱な気分だけなのだった。





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