ザ・ハント

ザ・ハント “The Hunt”

監督:クレイグ・ゾベル

出演:ベティ・ギルピン、ヒラリー・スワンク、
   アイク・バリンホルツ、ウェイン・デュヴァル、イーサン・サプリー、
   クリス・ベリー、スタージル・シンプソン、ケイト・ノーリン、
   エイミー・マディガン、リード・バーニー、グレン・ハワートン、
   エマ・ロバーツ、ジャスティン・ハートリー

評価:★★★




 いきなりだだっ広い野原に集められる面識のない人々。そして始まる殺人ゲーム。咄嗟に「CUBE」(97年)を思い出す。しかし富裕層が俯瞰でゲームを楽しんでいる気配に気づくと、リアル版「ハンガー・ゲーム」(12年)のようにも感じたりして…。けれど『ザ・ハント』、意外にバッタモンの匂いは薄い。何故か。

 金持ちが貧乏人を殺して遊ぶ構図の奥に見えるのは、今のアメリカだ。憎悪を煽り、真っ二つに分断された社会。ドナルド・トランプはそれを利用して好き勝手し放題だ。汗水垂らして働く庶民は、何とかサヴァイヴァルを図る。死んでなるものか。そうして始まる下克上。

 当然不条理な罠にかけられた者たちに肩入れしたくなるのだけれど、物語を通じて気づかされるのは、狩りのターゲットに選ばれた者たちの差別的思考の数々だ。彼らはトランプの策略にまんまと乗せられ、分断社会上等!と声高らかに叫ぶような輩で占められる。うっかり思ってしまうのは、どうぞ派手に死んでくれ!という無慈悲な感情。すると浮かび上がるのは、それに対する気持ち悪さ・居心地悪さだ。

 ターゲットはランダムに選ばれたわけではない、彼らの差別的思考の数々が原因、彼らは死に値するというわけだ。ただ、ヒロインの「スノードーム」だけ理由がなかなか見えてこない。彼女の正体とは…という謎で物語を引っ張っていくのが効いている。彼女が主人公だとなかなか分からせない演出も良し。そしてスノードームがキレのあるアクションで魅せる。時折ちらちら見える腹も引き締まっている。華には欠けるものの、ベティ・ギルピン、悪くない。

 ゲームを仕掛ける側にはヒラリー・スワンクがいる。彼女が明かすゲームの真相など、なるほど筋が通って聞こえる。けれど、そんなこと、どうでも良くなる。ギルピンとスワンクによる格闘が愉快だからだ。どっちも怖いよー。やっぱり銃や爆弾より、肉体が動かなくちゃ。

 描写は過激だ。ハイヒールで目玉を突き刺すのが掴みの殺人だと書けば、雰囲気は伝わるだろう。どこからか飛んでくる銃弾や矢。串刺し落とし穴。地雷や手榴弾。暴力の数々はしかし、今のアメリカ社会の象徴だ。荒っぽい映画ではあるものの、ちゃんと「意思」がある。あ、それにチョイ役で「ストリート・オブ・ファイヤー」(84年)のエイミー・マディガンが出てくるのが嬉しい。予想通り、最高に格好良いしわくちゃババアになってる!もっと見たかったな。





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