December 25-27 2020, Weekend

◆12月第4週公開映画BUZZ


あの夜、マイアミで “One Night in Miami”
 配給:アマゾン・スタジオ
 監督:レジーナ・キング
 Budget:$16,900,000
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:89.7 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演男優賞:キングズリー・ベン=アディル
           主演男優賞:イーライ・ゴリー
           助演男優賞:オルディス・ホッジ
           助演男優賞:レスリー・オドム・ジュニア
           撮影賞編集賞美術賞、衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞、録音賞、作曲賞

“Promising Young Woman”
 配給:フォーカス・フィーチャーズ
 監督:エメラルド・フェネル
 Budget:$30,000,000
 Weekend Box Office:$719,305(1310) zzz...
 OSCAR PLANET Score:84.0 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演女優賞:キャリー・マリガン
           助演男優賞:ボー・バーナム
           撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞、録音賞、作曲賞

ソウルフル・ワールド “Soul”
 配給:ディズニー
 監督:ポール・W・S・アンダーソン
 Budget:$150,000,000
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:89.7 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           視覚効果賞、録音賞作曲賞
           アニメーション映画賞

“News of the World”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:ポール・グリーングラス
 Budget:$38,000,000
 Weekend Box Office:$2,250,430(1900)
 OSCAR PLANET Score:78.1
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演男優賞:トム・ハンクス
           助演女優賞:ヘレナ・ゼンゲル
           撮影賞編集賞美術賞衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞録音賞作曲賞

ワンダーウーマン 1984 “Wonder Woman 1984”
 配給:ワーナー・ブラザース
 監督:パティ・ジェンキンス
 Budget:$200,000,000
 Weekend Box Office:$16,700,000(2151) Good!
 OSCAR PLANET Score:66.3
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演女優賞:ガル・ギャドット
           助演男優賞:ペドロ・パスカル
           助演男優賞:クリス・パイン
           助演女優賞:クリステン・ウィグ
           撮影賞、編集賞、美術賞衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞視覚効果賞録音賞、作曲賞

ミッドナイト・スカイ “The Midnight Sky”
 配給:Netflix
 監督:ジョージ・クルーニー
 Budget:$100,000,000
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:57.3
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:ジョージ・クルーニー
           助演男優賞:デヴィッド・オイェロウォ
           助演女優賞:フェリシティ・ジョーンズ
           撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞視覚効果賞録音賞作曲賞

“Pinocchio”
 配給:01ディストリビューション
 監督:マッテオ・ガローネ
 Budget:$12,000,000
 Weekend Box Office:$268,259(764) zzz...
 OSCAR PLANET Score:78.7
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           助演男優賞:ロベルト・ベニーニ
           美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           視覚効果賞、録音賞、作曲賞


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 Netflixに賞レース独走を許してなるものかと、アマゾン・スタジオが自信を持って送り出すのがレジーナ・キング監督作『あの夜、マイアミで』。ケンプ・パワーズの戯曲を原作にした本作は、活動家マルコムX、ボクサー カシアス・クレイ(後のモハメド・アリ)、アメリカンフットボール選手ジム・ブラウン、歌手サム・クックという歴史に名を残す4名がマイアミで一堂に会した奇跡の一夜を描くもの。プレミア上映されたヴェネチア映画祭では絶賛の声が方々から聞こえてきたが、なるほどアメリカ公開にあたっても熱い声援が止まず、勢いを加速させている。実在の人物ばかりを描き出す困難に優雅に打ち克つキングの演出力は鮮やかそのもの、決して堅苦しくなることなく、歴史の一場面を生き生きと切り取ることに成功。基本は室内劇でありながら、舞台の気配を感じさせないのはキングの功績大。キングズリー・ベン=アディル、イーライ・ゴリー、オルディス・ホッジ、そしてレスリー・オドム・ジュニアという今後の映画界を背負って立つに違いないアフリカ系スターたちのアンサンブルも見事そのものだという。賞レースでは技術部門のみならず、主要部門候補に食い込んでくる可能性があるだろう。問題は演技部門。誰をどの部門で推すかだが、現時点ではベン=アディルとゴリーを主演、ホッジとオドム・ジュニアを助演でプッシュする戦略が採られている。結果、前哨戦序盤では舞台で知名度の高いオドム・ジュニアが目立っている感。ベン=アディルへの支持も高いはずで、こちらも今後伸びてくるかもしれない。

 今年のサンダンス映画祭最大の話題作は『ミナリ』で決まり…と思われたのだが、ここに来て『Promising Young Woman』がBUZZを急速に拡大させている。過去の出来事が原因で抜け殻のように生きるヒロインが、女を性のはけ口としてか見ていない男たちに復讐する様を描くスリラー。高評価最大の燃料になっているのは、主人公を演じるキャリー・マリガンのキャリアベストと言われる壮絶演技。単純に男たちに制裁を与えるだけではないヒロインの複雑さを、奇抜なメイクの下に繊細に浮かび上がらせているという。マリガンの勢い加速に伴い、監督・脚本を手掛けるエメラルド・フェネルの演出力に対する注目も高まっている。ひとつ間違うと「目には目を」的ストーリーになってしまうところだが、それ切り抜ける思慮深い洞察力を持って大胆不敵な仕掛けに挑み、#MeToo時代に相応しい世界観を創り上げることに成功しているという。オスカーではマリガンの主演女優賞候補が大いに期待できる他、作品賞や脚本賞での善戦も噂されている。何となく昨年の「ジョーカー」(19年)的ポジションを獲得しそうな気がするのだが、果たして…。なお、興行的には極めて厳しい結果。

 今年のピクサーは『2分の1の魔法』に続いて『ソウルフル・ワールド』も発表。手掛けるのは近年最高のレヴューを獲得した「インサイド・ヘッド」(15年)のピート・ドクターということで期待は高まっていたのだが、新コロショックの影響により、何と劇場公開をスキップ、Disney+にて配信リリースとなった。舞台は人間の魂が生まれる前、ソウルの世界。ジャズミュージシャンになる夢を叶える直前でソウルの世界に迷い込んでしまった男と、どんな人間になるか、目的を見出せない22番という名のソウルの冒険を描く。…とかなり凝った設定なのだが、さすがはドクター、鮮やかなる手腕で混乱を誘うことなく美しい世界観を展開させているという。青を基調にした美しい画と感情の波を刺激するエモーショナルなストーリーの2大柱が武器。ピクサーがピクサーであることを証明する仕上がりに、批評家は太鼓判を押している。当然アニメーション映画賞候補は確実。インディーズ映画『ウルフウォーカー』との一騎打ちが予想されている。なお、本作が候補を確実にしたことで、『2分の1の魔法』は候補ギリギリラインに追いやられたと見て良い。

 小説の映画化作品では『News of the World』がある。ポーレット・ジルズが南北戦争から5年後の世界を描いた同名小説を基に、ポール・グリーングラスが手掛けている。ニュースを人に読み伝える仕事に就いている元兵士が、先住民族に育てられた10歳の少女を実の叔父叔母に届けることになるが…。前評判通り、評価は上々。物語をじっくり伝えるスロウテンポの作りゆえにややじれったく感じられる部分もあるものの、西部劇ならではの空気感を映像に閉じ込めることに成功、初老の男と少女が大自然の驚異や悪しき者たちの企みに直面しながら旅を続ける様が美しく切り取られている。西部劇の世界にすっかり馴染んだトム・ハンクスと無名少女ヘレナ・ゼンゲルのパフォーマンスも最高の組み合わせとのこと。オスカーでは主要部門に絡んでもおかしくない判定と言える。尤も、興行的にはコロナ禍を考慮しても平凡な結果に終わっている。

 評価が伸びずじり貧傾向にあったDCコミック映画の救世主となった「ワンダーウーマン」(17年)の続編『ワンダーウーマン 1984』が遂に公開された。当初の公開予定から大幅に遅れ、劇場・配信同時公開という戦略になる。一作目から時は経ち、舞台となるのは1984年のニューヨーク。コミックファンにはマックス・ロード、チーターの名で知られる新たなる敵にワンダーウーマンが立ち向かう。評価は一作目ほどには伸びていないにしても、悪くはない。飽和状態にあるヒーロー映画にもまだまだ開発の余地があることを宣言するキャラクター造形とストーリー展開。アメコミ映画らしい派手な画面作り楽しく、かつそこには温かなハートが感じられる。ガル・ギャドットもいよいよ絶好調。オスカーでは技術部門でチャンスがあるだろう。さて、注目は興行成績。コロナ禍であり公開劇場が制限されていること、そして配信同時公開であること…というハンディを背負いながら、週末成績は1,670万ドルを記録。もちろん一作目には遠く及ばないものの、まずまずの結果と言えるだろうか。

 クリスマス、Netflixはジョージ・クルーニー監督・主演作『ミッドナイト・スカイ』で勝負。滅亡寸前の地球、病魔に侵された北極在住の天文学者が、事情を知らず地球への帰還を目指す宇宙船と交信しようとする様を描くSFドラマ。Netflixのプッシュ虚しく、評価は可もなく不可もなくと言ったところ。テーマに見合った演出とは言えず、そのスケール感と共鳴しないちんまりした作り。ただ、誠実に役柄に向き合うクルーニーのパフォーマンスのおかげで何とか物語が成立しているとのこと。また、否定派も認めているのはヴィジュアル作り。最新の視覚効果を有効活用した画になっている。オスカーでは視覚効果賞候補の可能性が最も高いと思われる。





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