ルーシー・イン・ザ・スカイ

ルーシー・イン・ザ・スカイ “Lucy in the Sky”

監督:ノア・ホーリー

出演:ナタリー・ポートマン、ジョン・ハム、ザジー・ビーツ、
   ダン・スティーヴンス、エレン・バースティン、
   ジェフリー・ドノヴァン、パール・アマンダ・ディクソン、
   ニック・オファーマン、コールマン・ドミンゴ

評価:★




 実在の宇宙飛行士をモデルにした映画だという。主人公のルーシーは宇宙での長期任務の後、無事帰還。しかし、以前とは人が変わったようになる。これがSF映画ならエイリアンに寄生されているところだろうに、どっこい『ルーシー・イン・ザ・スカイ』が目指すのは人間ドラマらしい。ヒロインの陰気な顔を嬉々として映し出すため、陰鬱さからは決して逃れられない。

 帰還したルーシーは言うのだ。地球上の全てがちっぽけに見える。そしてそれゆえに人々の下らないところばかりが目につくのだと。ルーシーを俯瞰で捉えたショットが度々出てくる。まるでそれはルーシーのもうひとつの視線のようで、心と身体が切り離されているような状態だと解釈できなくもない。面白い画作りだ。

 けれど、とするならば、絶対にあるべきふたつの点が欠けている。第一にルーシーが他人を見下す一方で自分の小ささには気づいていないという愚かしさに関する考察。第二に宇宙で何を感じたのか、その具体的経験。これがないため(そう、宇宙場面はほんの僅か、しかも回想場面に限られる)、宇宙飛行士は皆、あたかもルーシーのような精神状態で帰ってくると分析されているみたいだ。もちろん暴論だ。

 不安定なルーシーは、どういう思考なのか、不倫に走るのが頓珍漢。ルーシーを演じるナタリー・ポートマンと不倫相手役のジョン・ハムはケミストリーがイマイチ。ポートマンが依然幼過ぎるのが原因か。いや、ポートマンはそもそも不倫を演じるには、元来の生地が良過ぎるのだろう。どれだけハムとじゃれようとごっこ遊びに見えるし、その後ハムのストーカーと化すのも何かのギャグとしか思えない。

 そうなのだ。クライマックスと思しきパートは自分が遊ばれているだけだと気づいたルーシーのハムへの復讐劇になる。冷静に見れば(いや、見なくても)、二股をかけられていた女の嫉妬をきっかけにした安い修羅場でしかないのだけれど、妙に張り切って演出されるのが印象的だ。単なるぷっつん女にどうしてそんなに同情的になるのか、この映画、いちばんのミステリーだ。

 それにさー、どうせぷっつんするなら、阿部定ぐらいやってくれないとなー。駐車場で待ち伏せして喚くばかりじゃ迫力不足もいいところだろう。何となくポートマンは、新たなる「ブラック・スワン」(10年)になることを期待して役柄を手掛けているフシがあるのだけど、残念無念、その足元にも及ばない狂気であたふたしている。はっきりと格好悪くて、思い切り株を下げてしまった感あり、だ。





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