ミッドウェイ

ミッドウェイ “Midway”

監督:ローランド・エメリッヒ

出演:エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、ウッディ・ハレルソン、
   ルーク・エヴァンス、アーロン・エッカート、ニック・ジョナス、
   豊川悦司、浅野忠信、ルーク・クラインタンク、國村隼、
   ダレン・クリス、キーアン・ジョンソン、マンディ・ムーア、
   アレクサンダー・ルドウィグ、デニス・クエイド

評価:★★




 戦争映画も随分変わってきた。以前は「アメリカ万歳!」を叫ぶことを最重要事項に設定した作品ばかりだったのが、戦争の空虚なる部分、残酷を極める部分にフォーカスしたドラマ性の高いものが増えてきた。戦争の英雄を讃えるだけの映画は、もはや時代にそぐわないのだ。どれだけ讃えたところで、戦争の芯を掴まえたとは言い難い。

 ところがどっこい、ローランド・エメリッヒはやっぱりか、戦争に身を差し出した者たちの英雄的部分にこそ興味があるらしい。あまりにも有名な太平洋戦争のミッドウェイ海戦を取り上げ、パールハーバーで不意打ちを食らって士気の沈むアメリカ軍の復活の様子を嬉々として撮り上げる。本物らしさももちろん大事だけれど、もっと大事なのはカギを握るアメリカ軍人たちをヒーローとして撮ることだ。

 一言でミッドウェイと言っても場所は広いし、部署も様々に分かれているから、題材不足に悩むことはない。ただし、エメリッヒは人物それぞれが展開させるドラマには興味はなく、象徴的なエピソードをすくい上げることで、ミッドウェイの全体像を描く。いや、描いた気になっている。いかにもエメリッヒらしい事態だけれど、まあ、いつも通りで安心…とするべきなのかもしれない。

 斯くして、こんなセリフが出てくる。「今を乗り越えれば何にでも立ち向かえる」。心を挫いた同志にかけるエド・スクラインの言葉だ。何と言うか、スポ根映画的単純さが、もはや可笑しさを誘う。スクラインはこんな単純ヒーロー的な言葉を吐きながら、同時に「復讐だ。復讐だ」と煩いったらない。彼は仕返しに命を賭ける男なのだ。実際の人物もこんな風だったのだろうか。

 エメリッヒ映画だから当然ヴィジュアルは派手だ。一流の美術装置で当時を再現、雰囲気たっぷりに戦時下を見せる。もちろん見せ場は戦闘シーンだ。画面の隅々で爆発が起こり、人が吹っ飛び、軍機がただの瓦礫と化していく。とりわけ力を入れているようなのが、パイロットのスクラインが垂直に近い形で機体を降格させ、衝突直前に爆弾を落として浮上する…という必殺技をスクライン目線で見せる件だ。一緒に軍機に乗り込んでるみたいでしょう?いや、軍機というよりジェットコースターだから。

 それにしても、もう少しどうにかなったのではないか。例えばパトリック・ウィルソン演じる情報将校あたりなど、もっと頭脳戦的側面を前面に出すことが可能だったはずだ。日本側の描き方にしても豊川悦司と浅野忠信の深刻顔ばかりが映されて困惑する。これならばいっそ、日本側の顔は描かず、アメリカの一人称に絞った方が、締まりが出たのではないか。どれだけ真面目ぶってもエメリッヒはエメリッヒなのだ。





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