ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー “Booksmart”

監督:オリヴィア・ワイルド

出演:ケイトリン・デヴァー、ビーニー・フェルドスタイン、
   ジェシカ・ウィリアムス、リサ・クドロー、ウィル・フォーテ、
   ジェイソン・サダイキス、ビリー・ロード、ダイアナ・シルヴァーズ、
   スカイラー・ギソンド、モリー・ゴードン、ノア・ガルヴィン、
   オースティン・クルート、ヴィクトリア・ルエスガ、
   エドゥアルド・フランコ、ニコ・ヒラガ、メイソン・グッディング

声の出演:マヤ・ルドルフ

評価:★★★★




 いきなり学校ヒエラルキーの実態が明らかになる。ケイトリン・デヴァーとビーニー・フェルドスタインによる主人公ふたりは優等生タイプだ。勉強ができても人気者にはなれない。ふたりの自信の拠り所が成績(進路)にあるところ、鋭い。『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』はその自信が崩れ去ってしまうところから、大笑い場面の連打だ。

 高校生によるマウント取り合戦。これが嫌味に映らないのは、それぞれあっけらかんと強気の姿勢を守るからだ。デヴァーとフェルドスタインも例外ではない。ショックを受けても、態勢を立て直し打開に走るまでが早い。いじいじめそめそを許さず、いけいけゴーゴーを貫く。デヴァーとフェルドスタインのコンビネーションがとにかく、サイコー。

 ヴィジュアルの対比からして効いている。ジョナ・ヒルの妹らしくおデブ気味で濃いぃぃフェルドスタインと、薄くクールな顔立ちのデヴァー。フェルドスタインが暴走肉団子的にぶっ飛ばすのに対し(ちゃんと可愛いのに驚愕)、デヴァーはそれを冷静に受け止めシニカルに行く。ふたりが見下していた他生徒たちが遊んでいただけでなく勉強もして結果を出していたことを知り、卒業式前日にその遅れを取り戻す様。無理があり過ぎてもこのコンビネーションが輝いているので、全く持って問題なし。

 オリヴィア・ワイルドに監督の才能があったとは驚きだ。脚本の可笑しさによるところも大きいはずで、100%ワイルドの演出力のおかげとは言えないものの、その軽快なテンポ(緩急をつけながら前のめりでどんどん飛ばす)とリズミカルな編集の技が、ほとんどYouTube世代の快感に繋がっているあたり、大いに侮れない。

 例えば、ふざけ方に芸がある。ふたり下ネタに走る場面で突然人形劇に転じたり、場の空気を伝えるミュージカルが始まったり、デヴァーがプールを泳ぐのを人魚風に撮ったり…とナイスなジョークがたっぷり。アラニス・モリセットの「You Oughta Know」をデヴァーが熱唱する場面を入れるセンスも素ン晴らしい。コレ、曲調もさることながら歌詞の過激さが良いんだ。

 そうして笑い転げていると、十把一絡げに見えた生徒たちの個性がくっきり見えてくる。同時に彼らの嫌な性格に見えた部分がむしろ輝いて見えてくる。彼らは彼らなりに懸命で、学園生活を謳歌していたに過ぎないと分かるのだ。この映画の最も気持ち良いところは、親友同士のデヴァーとフェルドスタインが互いの存在意義を認め合うだけでなく、他生徒たちと絡むことで彼らもまた自分たちと同じなのだと悟るところにある。気がつけば、どのキャラクターにも愛着が沸いている。甘くて、苦くて、可笑しくて…ここには確かに青春がある。





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