レイニーデイ・イン・ニューヨーク

レイニーデイ・イン・ニューヨーク “A Rainy Day in New York”

監督:ウッディ・アレン

出演:ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメス、
   ジュード・ロウ、ディエゴ・ルナ、リーヴ・シュライバー

評価:★★★




 ウッディ・アレンは変わらない。お喋りな男と女による掛け合いをアレコレ組み合わせて人生を語る作品ばかり。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』など、ホームタウンであるニューヨークが舞台で、ますますいつものアレン調。自己模倣なんて言葉が常にちらつくものの、まあいいじゃないか…と観る前から寛容な気分。

 敢えていつもとは違う点を挙げるなら、主役カップルが相当若いということだ。アリゾナの大学生カップルが物語を主導、このあたり若いエネルギーを吸収してしぶとく生き残っている感が強い。…なんて言ったら、アレンに怒られるだろうか。いやでも、アレン映画の主人公はどんどん若返っている気がする。

 そんなわけで自身で手掛けないときのアレン映画の男性主人公は彼の分身だ。今回は今が旬のティモシー・シャラメが務める。お耽美系の美貌は相変わらずでも、話すスピードが、やっぱりか、いつもより格段に上がっているのが可笑しい。ちゃんとアレンの分身に見えてくる。アレンの分身俳優は誰も彼も肉体派ではなく知性派だ。男たちが憧れる男では決してないのだった。

 女はと言うと、これまた好調エル・ファニングが演じる。天真爛漫に夢を語るファニングが、実は野心のためにはしたたかな行動に出ることを厭わない、ある種の怪物性を見せるあたりにドキリとする。そしてチャーミングだ。シャラメはファニングに振り回されて頭を抱えるものの、それを楽しんでいるフシがある。

 「現実は夢を諦めた人の世界よ」なんてセリフが出てくるけれど、物語は夢と現実が衝突し、男女の関係が移ろっていく様を描くものと言えるだろうか。たった一日でそんな劇的に変わるだろうか…という疑問を溶かしてしまうのがニューヨークの街に降り続く雨というわけだ。冒頭から噛み合わない掛け合いを見せていたシャラメとファニングの辿り着くところがショッパイ。

 この際、辛辣さを塗しながらもちゃんと男に都合の良いものになっている。アレンはちゃっかり自分大好きだ。#MeToo時代に逆行するものだと責めるべきだろうか。まあ、そう言いたい奴らは言えば良い。偉大なる自己模倣の境地に達したアレンの人間観。「ちゃっかり」部分を見過ごして(そう、彼はバカな男を笑い飛ばす)、その否定に必死になることほど野暮なことはない。





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